山形県内の釣り関連ニュース2004


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●12/12に開かれた最上川と小国川の治水に関するシンポジウムについて---12/14掲載
  12/6に既報のように、12/12(日)、最上町の赤倉温泉地内「お湯とぴあ もがみ」において、「最上川と小国川の真の治水を考える会」主催のシンポジウム「近自然工法による治水を考える 〜最上川と小国川の“真の治水”を求めて〜」が開催されました。開会に先立って同会の事務局長を務める草島進一氏(鶴岡市議)が挨拶に立ち、会の設立主旨などを説明。この中で草島氏は、ダム計画の是非に議論が集中している小国川の治水対策を問題視し、「本当の意味での治水を考えていく必要がある」として同会の発足に至った経緯を語りました。
 この後、大熊孝氏(新潟大学教授(河川工学))、福留脩文氏(西日本科学技術研究所 所長)、山形県土木部、天野礼子氏(アウトドアライターの各氏が、それぞれ専門分野の視点から小国川の治水対策や今後の議論のあり方などについて意見を述べました。
 なお今回のシンポジウムには、地元を中心に約80名の方が参加。地元以外からも釣りや河川環境に関心のある方の参加が見られ、活発な質疑応答がありました。〜以上、概要報告。
各氏の演目は12/6掲載記事を参照(法政大学教授・五十嵐敬喜氏は急遽欠席)。

各氏スライドを使って具体例を示しながらの講演が行われ
た(写真は大熊孝氏の講演)

山形県土木部からは河川砂防課・アライ主幹が出席し挨
拶。小国川の治水対策及びダム計画については最上総
合支庁の担当者(アベ氏)が説明した
●今回のシンポジウムで印象に残った点
◆大熊孝氏 新潟大学教授(河川工学)
*「ダムは山から海へと続く物質循環を遮断するもので、川にとっては基本的に敵対するものだ。」
*「今年の夏に起きた新潟水害では、堤防が決壊して死者が出た五十嵐川も刈谷田川も上流にダムがあった。このダムはある程度の治水機能を発揮したことは確かだが、それでも死者が出たということは、ダムによる治水には限界があるということだ。そもそもダムによる治水は、ダムより上流に降った雨だけにしか効果がなく、ダム下流に雨が降った場合には何の効果もない。だからダムができても下流の人は洪水になっても安心することはできない。またダムについては、その計画規模を超える雨量や増水があった場合、行政は何の責任もとってくれない」
*「ダムには水だけでなくは土砂もたまる。だからいずれはダムは土砂でいっぱいになる」

◆福留脩文氏(西日本科学技術研究所 所長)
*「近代工学で河川の護岸などをする場合、コンクリートんどの堅いものですぐ護岸を固めようとするが、昔行われていた伝統工法では、水の流れを巧みにコントロールして、その流れで洪水を防いだり、堤防を守ったりする考え方がある。この方法は現代でももちろん有効で、自然を破壊せず、川の生き物も守ってくれる」
*「川は本来まっすぐには流れないもの。水が流れる時には、自然に蛇行しようとする性質がある。それを人間の都合で無理にまっすぐにしようとするから堤防が削られたりというムリが出る」
*「最上川を見た印象は非常に自然度が高く、四国の四万十川をしのぐかも知れない。機会があれば山形県の河川土木の人と意見交換したい」

◆山形県土木部の担当者
*「現在、最上小国川に計画しているダムは通称「穴あきダム」といっているもので、堤体の高さ35m、堤体の長さ(幅)140mになる。この堤体の中心部下方に2.3m×2.3m」の穴を空ける。この穴からしか水が出ないので、洪水時はダムに水がたまって治水機能を発揮する。通常時は穴から水が流れるので、河川に影響はない」

◆天野礼子氏(アウトドアライター)
*「ヨーロッパでもアメリカでも、ダムによる治水は問題があるとわかってきて、行政もはっきりとそれを認めて“脱ダム”が世界の流れになっている。実際にアメリカではダムの撤去を始めている。ダムは最後の手段であって、害や毒もあることを知らないといけない」
*「小国川の治水対策が、ダムかダムじゃないかという極端な議論になるのは良くない。もっと総合治水という観点から、大きな視点で治水対策を考えていくべきだ」
*「静岡県の大井川は、流域に34もダムがある。ダムが数多くできて、下流の河川は砂だらけになって“川原砂漠”と呼ばれるようになった。また河床がだんだん高くなって、少しの出水でもすぐに水が堤防の外にあふれるようになった。さらに、大井川河口の砂丘は、、昔に比べて300mも砂浜が陸側に後退してしまった。これはダムによって土砂が止められ、砂浜に砂が供給されるのが止まってしまった結果だ。これは全国どこでも同じ事が起きている。海での漁獲量減少にも少なからず影響している」

◆一般参加者
*「私は昔建設省にいたが、東北で一番ダム顔笈のは岩手県の北上川。でも全然治水ができていなくて、いまでも一ノ関で遊水池の工事なんかをやっている」
*「穴あきダムの穴なんかは、水が出れば土砂ですぐに埋まってしまう。穴が埋まれば水がたまり、今度は堤体の上から水が流れ出してくる。するとダムは水のジャンプ台と化してしまう。実際に宮城県で同じ現象による被害が出たことがあって、仙山線で事故になったことがある」

◆一般参加者

*「漁業組合はダムに反対と言っているが、組合員1400人全員がダム反対と言っているわけじゃない。」

●小国川の環境を憂う有志が「最上川と小国川の真の治水を考える会」を設立。
  12/12にシンポジウム「最上川と小国川の“真の治水”を求めて」を開催します。
---12/6掲載
 舟形町と最上町を流れる最上小国川では、川の治水対策として最上町や山形県がダム建設を計画し、小国川漁業協同組合などが「治水はダムでなくても可能」としてダム計画に反対しています。こうした中でこの度、最上小国川や最上川の治水について考えようという有志が「最上川と小国川の真の治水を考える会」を発足し、12月12日にシンポジウムを開催することになりました。以下にシンポジウムの開催要項や、同会の設立主旨などをご紹介します。
 なお、今回のシンポジウムで注目すべきは、山形県土木部がシンポジウムに参加して「小国川ダムはなぜ必要か」と題した講演を予定している点です。これは同会が単にダム反対を唱えるのではなく、ダム賛成(推進)の意見も聞きながら、文字どおり“真の治水”について考えようとする姿勢と思われ、評価すべき事かと考えます。釣りファンの皆様もぜひ参加して、それぞれの意見を聞いてみてはいかがでしょうか。
シンポジウム開催要項
 ◆名 称 : シンポジウム「最上川と小国川の“真の治水”を求めて」
  ◆日 時 : 2004年12月12日(日) PM1:00〜PM4:00(受付11:30〜)
  ◆場 所 : 最上町赤倉温泉「お湯トピア」
・・・・・赤倉温泉から赤倉スキー場に向かって橋を渡りすぐ左折。高台にあり。

  ◆プログラム
   *開会挨拶と流域責任者紹介・・・・・・・草島進一(最上川と小国川の治水を考える会 事務局長(鶴岡市議))
   *「今夏の水害が教えるもの」・・・・・・・・大熊 孝(新潟大学教授(河川工学))
   *「近自然工法で治水を考える」・・・・・・福留脩文(西日本科学技術研究所 所長)
   *「小国川ダムはなぜ必要か」・・・・・・・山形県土木部
   *「欧米の河川思想に学ぶ」・・・・・・・・・天野礼子(アウトドアライター)
   *来賓コメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・五十嵐敬喜(法政大学教授)
「最上川と小国川の真の治水を考える会」設立主旨、他
 
◆設立主旨
 本年、日本列島にはたくさんの台風が来襲し、<水害>の爪痕を残し、犠牲者も出ました。臨検新潟では二つの河川で堤防が決壊し、大きな水害となりました。私たちも大河・最上川の流域に生きるものとして、いつ同じような水害に遭うやも知れません。
 2002年にはドイツを中心としてヨーロッパでも今夏の日本の洪水とタイプが似た気候変動による豪雨によって大水害が発生し、ドイツだけでも100人を超える死者が出ています。ドイツ及びEUはこの後、水害の原因追及のための委員会を設定しました。そしてドイツの関係5省庁による「河川会議」は次のようなことを発表しています。
「川に沿ってあまりにも多くの構造物が造られたので、水害を起こさずに洪水を受け入れる余地がなくなってしまっていた。これまで造られてきた“洪水を防ぐ”というすべての構造物(ダム等)が、そこから下流域における洪水の危険性を高めてきた。人の住んでいない地域に洪水を受け入れる遊水池を設け、川に戻すために国家は努力しなければならない」
 アメリカでも1983年のミシシッピー川、ミズーリー川の水害の後、「治水」を担当する陸軍工兵隊が「行政が川をまっすぐにし、強い堤防を造って人々をその周辺に住まわせてきたことが水害を大きくした」と発表し、国民に謝罪しました。
 世界中で堤防やダムだけに頼る<近代河川工法>が反省され、「総合治水」の知恵が構築されつつあるのです。欧米の官僚たちは「日本は江戸時代までは最も優れた治水の知恵を持っていたのに・・・」と、私たち日本人こそ<川の民>の知恵を早く取り戻すべきという助言をしています。
 そこで最上川と小国川流域に住む私たちは、県が推進する「ダム」にこだわることなく、“治水”を考えるため「最上川と小国川の“真の治水”を考える」ために会を結成する事にいたしました。小国川は、『日本の名河川を歩く』(天野礼子著・講談社+α新書)において日本で第2位の天然河川と評価されています。松尾芭蕉によって <五月雨を集めて早し最上川> と詠まれたのは、この川が流域の雪解け水を春遅くまで大量に出す大河川であることを表現していますが、それはこの川が <恵みの多い川> であったことを教えてくれています。その恵みを受けるために、流域の人々は昔から人工的な護岸を設けず、田に直接洪水が入り込むような里づくりを心掛けてきました。それが最上川と小国川に今も天然鮎が遡り、サクラマスが遡る! 天然要素を多く持つ川である秘密です。
 また“洪水”は単に迷惑なものでなく、美味しい米を作ってくれる神様の恵みでした。家々は川から少し離れたところに建てられ、“洪水”を“水害”にしない知恵が長年培われてきました。いまも最上川舟下りに乗船してみれば、両岸の手つかずの素晴らしい自然が、いにしえの人々の知恵を教えてくれます。そんな最上川と小国川を美しいまま子孫に託すためにも、流域の皆さん、全国の皆さんにもご賛同いただき、「川の民」日本人の“真の治水”の知恵を取り戻したいと思います。
◆中・長期的目標
 *大河・最上川と日本第2位の天然清流・小国川の“真の治水”を考える。
 *治水のあり方として、ヨーロッパで採用されている「総合治水」を学び、赤倉温泉の再開発を考える
 *最上川全域の治水のあり方も学習する。
会として
 *「貴方の愛する人に最上川と小国川の美しさを伝えてください」を当会の共通メッセージとして、それを伝えることを会員の唯一の義務とする。
 *入会金は不用とするが、会員にはカンパをする権利がある。また、行動する為のカンパをインターネットなどで募る。
 *松尾芭蕉や源義経が歩いた流域とそれにまつわる小路を勉強、紹介し、最上川、小国川の自然の素晴らしさをアピールする。
 *国内外の河川工学者、“超自然工法”による治水工事を施工できる研究者、水害体験者等を招いて学習し、それを日本中に伝える。
 *音楽や芸術で最上川と小国川の美しさを表現する催しを開催し、多くの人々の理解を求める。
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※なお、同会では入会者を受け付けています。 

●10/18、「最上小国川(赤倉)治水対策に関する懇談会」が開催---10/19掲載(一部加筆・・・最終10/28)
 10月18日(月)、「最上小国川(赤倉)治水対策に関する懇談会」が、最上町赤倉温泉地内の「お湯とぴあ もがみ」で開催されました。この懇談会には最上小国川の治水対策としてダム建設案を掲げる行政(最上町・県)と、治水はダムではなく他の対策でも可能とする小国川漁業協同組合、そして治水が必要とされる赤倉温泉地区に住む住民の3者が参加し、活発な意見交換が行われました。
 夕方7時から開催された懇談会では、まず最上町の柴崎憲一建設課長による開会の挨拶。その後、高橋重美最上町町長が町代表者として挨拶に立ち、「最上小国川の治水対策には平成3年から調査が始まり10数年経っており、計画は大詰めに入ってきている。そんななかで町、漁業組合、地元住民の話し合いは今まで行われなかった。今回は実りある会議にしたい」と述べました。この後、出席者紹介、座長選出(最上町助役が選出)を経て懇談会となりました。
 行政側は、これまでどおりに最上小国川の治水対策としては穴開きダムが妥当と主張。また、「本来は水を溜めるタイプの利水ダムを希望していたが、小国川漁協などのダム反対意見を採り入れて洪水時だけ水がたまる穴開きダムにした。新聞でも報道されたが県の公共事業債評価委員会でも事業継続は妥当とされた。バイパス(放水路)案、川の拡幅案などもあるがそれらは机上案であり、実効性、実行可能な案として穴開きダムを提案する」と述べました。それに対してダム案に反対する小国川漁協は、従来どおり穴開きダムを含むダム案への反対理由を主張しながら、それに変わる対策として川の拡幅案を提案。「赤倉温泉地内の川を掘ると源泉に影響するというが、拡幅なら可能。拡幅に伴って家屋の移転が必要になるが、移転に協力するという人も少なくない。合わせて温泉街の街並み整備も図れるのではないか」と述べました。しかしこの後の地区住民を交えた議論では、それぞれの案について冷静に検討するような発展的議論にはならず、平行線のままに終了となりました(9時終了)。
 なお、懇談会の席上で行政側の一人から「地区住民の話を聞けるのはこれが最初で最後」といった内容の発言がありましたが、会の終了後に当方が高橋重美最上町町長に確認したところ、「これで最後というわけではない。今後も続く」という解答がありました。

あくまでダム建設案を主張した行政側出席者
(写真提供:WaterWatchNetwork 草島進一)--2枚とも

ダムではなく河川改修(拡幅)で治水は可能と主張した小国
川漁協

<印象に残ったコメント>・・・・抜粋
*
高橋重美最上町町長
 「これまでダム案、川の拡幅案、バイパス(放水路)案が提示されてきた。拡幅案については赤倉地域の右岸側の住民が移転してもいいと言っているという話も聞くが、私の知る範囲では全ての住民がそう言っているわけではない。また拡幅となれば右岸だけでなく左岸側も含めて拡幅しなければならない。そうなれば、赤倉温泉がなくなってもいいというような提案は、机上プランは成り立つが現実的には成り立たない。同時にバイパス案についても、農地をバイパスしていくということは土地の所有者もいるので。同時にそういう事業を展開するとすれば県の河川整備の予算でやっていかなければならないわけだが、県の河川整備の予算は年間60数億円くらいしかない。その中で最上町にだけ優先してとはいかない。」
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*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
 「県の公共事業債評価委員会で事業継続となったというお話があったが、私は実際にその委員会を傍聴していた。継続になったのは調査事業の継続ということであり、ダム計画が継続ということではない。」
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*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
 「組合ではこれまで何度か高橋県知事と話し合いをしているが、今年3月22日にお会いした時に私どもは、ダムに代わる案として『川の拡幅案』を知事に提案している。その時に「赤倉温泉地内の川幅を広げ、一部の家屋に移転していただければ洪水被害は防げる。移転に協力するという人もいる。その移転、川の拡幅に合わせて街並みも整備して景観づくりをして温泉街の魅力アップも図れると思う」と知事に提案したのだが、それに対して知事は「それはいい案だ」と言われて同席していた土木部長に検討するよう指示していた。今日は県の河川砂防課課長補佐も同席されているが、その話は聞いていないのか。河川の拡幅について技術的にどうかということについても、私どもは独自にいろいろ専門家の方に聞いてみた。結論は「難しいことではない」ということだった。だからその案について地元の人たちと話をしたいんです。
*山形県河川砂防課 課長補佐・斉藤隆 
 「私は直接そういう指示は受けておりません。ただし河川改修案については懇談会でも出していますし、地元説明会でも出していますので、それで県の案というふうに私は理解してもらっているのかなぁと理解しています」
*地元住民
 「河川改修
(川の拡幅)案を知事が検討してみろと指示しているにもかかわらず、あなたは話を聞いてませんということですか。これ話にならんわけよ」
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*赤倉温泉町内会会長・早坂義範
 「今まで何回か懇談会ありましたが、今日は地元赤倉の住民と話するのは初めてだと思います。今日が最初で最後だと私は考えております」
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*地元住民
 「赤倉の住民は最初からダムつくってくれなんて要望は出してない。水害、家の前まで水があふれてくる状況をなくしてくれと要望してきた。そうしたら、その問題を解決するにはダムがいいと。誰がダムを提案してきたんですか。行政ですよ。だから原点に帰って考えるべきだと思う。ダムをつくらなくても水害から完全に守られる方法が他にあったら、これは追求すべき。そして精一杯やってダムでなければやっぱりダメだとなった時、私は初めてダムでやるべきだと思う。だからダムをつくらなくても水害を防ぐ方法を、もういっぺん追求してみましょうや。まだ結論出すには早いと思います」
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*地元住民
 「さっき沼沢組合長は、川の拡幅となったら右岸側で協力する人がいるという話だったが、誰が賛成しているのか。また調査はどういう方法でやったのか」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
 「誰が賛成しているとかは申し上げたくありません」
*赤倉温泉町内会会長・早坂義範
 「それじゃ前に進まない」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
 「いまの状況で氏名は出せない。前に県知事に陳情に行って川の拡幅と街並み整備の話をした時に、知事は家屋などが移転となれば補償は出しますと言ったわけです。また前に赤倉では800万円だかの金をかけてやってますが、そういうのを含めて町や地域で計画を持って出してくるなら相談に応じると言っているです」
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小国川漁協組合員で地元住民の方の話(発言)
「実は平成13年の3月頃だったかな、知事に陳情に行ったわけです。それでいろいろ陳情してたわけなんだけども、その場で組合長が○○さんは赤倉温泉から来たんですと私を紹介したわけです。そしたら知事が私に「あなたはどういう考えを持っているんですか」って聞かれたわけです。オレは「平成何年だかに赤倉温泉の景観づくりについて800万円もらって、3年ぐらいかけて芸工大の教授などにも協力してもらって、景観づくりについて調査みたいなのをやった経緯もあったんで、そういう景観づくりみたいなのをしないと、赤倉温泉も
(将来の発展が見込めない)と思うので、ダムよりも景観づくりをしながら河川整備をしてもらいたい」と言ったわけです。そしたら知事は「それはいい考えだ。そういうことならどういうふうにするのか(地域の人などに意見を)聞いてもう1回来なさい」と言われたわけです。それでオレは帰ってから赤倉温泉の人に何軒か聞いて回ったら、移転してもいいという人が何人かいて。それで、今度は組合長に「今度はいつ知事に会いに行くのや」と聞いたんです。前に知事に陳情に行ったときに「案を持って来い」っていわれたから。それで、いつ知事に会いに行くのやって組合長に聞いたら、3年置かれたんです。「県知事には会わせらんね」。それで平成16年の3月22日だな、行って来たんだ。そしたら県知事が組合長に穴開きダムっていうの見せたんだな。「この案でどうだ」って。オレ(組合長の)脇にいて見ったから。それで組合長どいろいろしゃべってたんだけど、オレには(前の陳情の時に県知事が)「説得してこい」とか言っておいておかしなと。それで県知事に言ったんだ。「穴開きダムもいいけども、(前の陳情の時に県知事が)説得してこいといったから、それもちゃんとシュミレーションしてください」と。そしたら県知事は隣にいた土木部長に、「○○さんの言ってる案もちゃんとシュミレーションしなさい」と言ったんだ。部長は「はい」と言った。オレは、部長がハイと言ったから新庄のあれ(最上総合支庁)にも(指示や連絡が)来ているものだと思ってた。でもそういうことは全然ないようで、おかしいなと。」
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*地元住民
「私は放水路案が一番じゃないかなぁと思ってます。地形もちょうどいいし。私は十分間に合うんじゃないかと思うんです」
*赤倉温泉町内会会長・早坂義範
「○○さん、放水路案はダメなったんよ」
*最上町の幹部
「何十年もかかるわけだ」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
「なんで放水路案はダメなの? 案としてはダムと放水路と河川改修の3つあるわけでしょ。ただ組合としては皆さんが協力してくれて河川拡幅ができるなら第一は河川拡幅案ですと。そしてダムをつくると私たちは被害を受けると言っているわけです。」
*地元住民
「組合長さんに聞きたい。
(ダムのある)寒河江川ではチェリーランドとかの近くで釣り大会とかやってますけど、(被害や影響は)どうなんですか?」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
「それは私は言いたくない。私が言えばよその組合の批判をすることになる」
*参加者
「最悪です。はっきり言って釣り客いないです。みんな寒河江川からこっちの小国川に釣りに来ています」
*地元住民
「だって新聞に載ってるじゃないか」
*参加者
「新聞に出ていても、濁っているから釣りにならないんです」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
「小国川には年間2〜3万人のアユ釣り客が来ています。瀬見温泉には釣りのために泊まる客が2500〜3000人いると統計で出ています。また釣り大会は年間7つの大会があって、ダイワやシマノ、がまかつという大きなメーカーもここで釣り大会をやっています。3大メーカーが同じ川で大会をするという例は全国でもありません。それは小国川にダムがなくて、水がきれいで、アユもいい、形も味もいい。そういう・・・」(発言遮られる)
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*地元住民
「このままでいくとね、どうなるかを考えた方がいいと思う。このように議論が対立して同意が得られないという状況で、知事はどうするだろうかということ。穴開きダムだろうとなんだろうと、事業にGOサインは出せない。出したら大変なことになる。でも、このままで10年20年と時間がかかれば、困るのはここに住んでいる住民です。だから話をまとめなきゃいかん。そのことを声を大にして訴えたい。」

※赤色の部分は当方の注釈。
<主な参加者>−−−順不同、敬称略
最上町建設課課長・柴崎憲一                最上町町長・高橋重美
山形県河川砂防課 課長補佐・斉藤隆           赤倉温泉町内会会長・早坂義範
小国川漁業協同組合 組合長・沼沢勝善
<取材メモ>
*今回の懇談会は、行政側、小国川漁業協同組合の双方から各10名ほどと、地域住民25名ほどが参加して行われました。しかし、行政側と組合の各10名はともかくとして、地域住民25名というのは少ないと思い、今回の懇談会について参加案内を出した範囲と案内方法について確認したところ、解答してくれた赤倉温泉町内会の幹部は、「赤倉温泉地区の185戸に書面を配布した」ということでした。しかし、その後赤倉温泉地内の2〜3人に聞いたところ、「案内は見た記憶がない」とのこと。取材した印象では、地域住民に対してあまりちゃんとした案内はしていない感じがありました。そもそも、仮に地域住民185戸(人)が今回の懇談会に出席したとしても、会場自体が小さく、今回でも約8割方満杯という感じでしたので、案内を出したという185戸の出席があれば大変な混乱になっていたと思われます。このへん、誤解を招かないために、またより意味のある会にするためにも、誠意ある会議の開催を望みたいと思います。

●10/16日〜17日、「第25回東北自然保護の集い」開催。最上小国川ダムについても議論---10/18掲載
 10月16日(土)と17日(日)の2日に渡り、東北自然保護団体連絡会議が主催する「第25回東北自然保護の集い」が、最上町赤倉温泉地内の「お湯とぴあ もがみ」で開催されました。今回は「ダム開発と公共事業を考える」を大きなテーマに、東北各地で活動する25あまりの自然保護団体や個人が参加。山形県内では「葉山の自然を守る会」「小国の自然を守る会」「鳥海山の自然を守る会」「出羽三山の自然を守る会」「神室山系の自然を守る会」の他、最上小国川ダムの建設に反対している「小国川漁業協同組合」も参加し、意見交換を行いました。
 16日はまず、開会後にフリーライターの天野礼子氏が「国内外のダム開発とその課題 〜森から川、川から海へのつらなりをとりもどすために〜」と題して基調講演。この中で天野氏は、国内外のダホム事情を紹介しながら、「これから地球温暖化が進めば水害や土砂崩れなどはもっと増える。それを防ぐには川だけでなく森のこと、山のことを考える事が大事。ダムが良くないという考え方はある程度知られるようになったが、森と川、そして海は一体のものだ。これからは山は山、川は川というのではなく、山の人も川の人も一緒になって自然保護活動や運動をすべきだ」と語りました。
 基調後援の後は、3つの分科会に分かれ、各団体がそれぞれの活動内容や自然破壊の実態などを報告。また各事例について積極的な意見交換が行われました。
 なお、17日は取材しておりませんが、16日と同様に分科会に分かれて意見交換などを行った後、全体会と大会アピール採択を行った模様です。
<参加団体一覧>

白神山地のブナ原生林を守る会
秋田県自然保護団体連合
東北森林管理局
和賀川水系の自然を考える会
梁川のダムと自然を考える市民のネットワーク
めぐみ豊かな気仙川と広田湾を守る地域住民の会
花巻のブナ原生林を守る市民の会
白神山地を守る会
青森県自然保護協会
早池峰の自然を考える会
栗駒の自然を守る会
仙台のブナ林と水の自然を守る会
船形山のブナ林を守る会
野生生物保全論研究会
(財)日本自然保護協会
高山の原生林を守る会
葉山の自然を守る会
小国の自然を守る会
鳥海山の自然を守る会
出羽三山の自然を守る会
ウォーターワッチネットワーク
小国川漁業協同組合
神室山系の自然を守る会

大勢の参加者で会場は満員となった

基調講演を行う天野礼子氏

最上小国川ダムの経緯と反対理由などを発表する小国川
漁業協同組合の沼沢組合長

分科会での意見交換風景
●今年10/1〜10/7まで、アユの採捕禁止が県内水面漁場管理委員会で決まった模様---9/13掲載
 8/30掲載のニュースにあるように、山形県内水面漁場管理委員会では産卵期にあるアユを保護するため「アユの禁漁期間の設定」を検討していましたが、その結果、今年10月1日〜10月7日までの1週間について、県内の河川・その支流及び小支流でのアユ採捕禁止が決定した模様です(小国町の荒川水系を除く)。いずれ新聞報道もあると思いますが、この期間は調査目的等で特別な許可を得ない限り、釣りでも網でもアユの採捕は禁止になります。皆様ご注意ください。

●アユ禁漁期間の設定について、県内水面漁場管理委員会が広く意見を募集中---8/30掲載
 山形県内水面漁場管理委員会では、山形県内水面漁業協同組合連合会からの要請を受けて「アユの禁漁期間の設定」を検討していますが、これについて県民の皆さんの意見を募集しています。募集期間は9/3締切となっています。意見のある方は下記のサイト(県のホームページ)をご覧になり、ご意見をお出しください。
http://www.pref.yamagata.jp/0.html (ゆとり都 山形トップページ)
http://www.pref.yamagata.jp/ns/seiryu/796500/5550000.html (意見募集のページ)

●8/27、「第25回東北自然保護の集い 山形大会」開催。最上小国川ダムの是非を検討---8/30掲載 
去る8月27日(金)、ウォーターワッチネットワークが主催する「第25回東北自然保護の集い 山形大会プレフォ−ラム」が、最上町赤倉温泉地内の「お湯とぴあ もがみ」で開催されました。今回のプレフォーラムは「新潟豪雨災害から見る最上小国川の流域環境」と題したもので、新潟大学自然科学系・工学部教授 大熊孝氏や、アウトドアライターで洪水被害の公共事業をチェックするNGOの会代表を努める天野礼子氏、法政大学法学部教授 五十嵐敬喜氏をはじめ、最上小国川ダムの問題や自然保護に関心のある一般の方30名ほどが参加。いま最上小国川の上流で山形県が計画している最上小国川ダムについて、意見交換や流域視察が行われました。
 当日はまず、午前10時過ぎからダム建設予定地と、水害の危険が高いという理由でダム計画の根拠となっている赤倉温泉などを視察。ダム計画を担当する最上総合支庁河川砂防課の担当者から説明を受けながら、大熊教授が中心となって水害の可能性や小国川の流下能力、ダムの必要性などについて検討がなされました。
 午後3時からは「お湯とぴあ もがみ」に会場を移し、新潟水害の増水氾濫過程・堤体決壊原因を調査する研究委員会のメンバーでもある大熊教授が講演。最上小国川ダムの必要性について大熊教授は「ダムは劇薬のようなもので、副作用がある。できれば建設しない方がいい。今日は小国川をダム予定地から瀬見温泉まで実際に視察したが、見て回った限りでは、小国川は大雨で氾濫しても大被害はないと考えられる。そもそも水害にもいろいろなレベルがあり、どの程度の水害までなら我慢できるのかを明確にすべき。ダム問題についてはこれまで県主導の懇談会が開かれたというが、もっと地元で話し合うべき。特にダム建設の大きな根拠になっている赤倉温泉の人たちは、全員が集まって徹底的に話し合うべきだ」と述べました。
 続いてアウトドアライターの天野礼子氏が、ダム建設による弊害や世界の治水対策などについて講演。この中で天野氏は「そもそも勾配の緩やかな欧米で考え出された治水対策であるダムを、勾配が急な日本の河川で導入することに間違いがある。河川勾配が急な日本では、ダムを造ってもすぐに土砂やヘドロがたまる。その対策のために近年は、黒部川の「出し平ダム」など土砂を排出する排砂ゲートを備えたダムがつくられるようになったが、今度は排出した土砂やヘドロが海にまで達し、海での漁獲量が激減している。欧米ではそうした弊害に気付いて、ダム建設をやめて撤去する流れになってきている。日本ではダム建設で海に土砂が運ばれなくなったために、砂浜が減るという弊害も起こっている。これまでは川は川、海は海、山は山と個別に考えてきたが、これらは一つの流れとしてつながっているもので個別に考えるべきではない」と語りました。
 また、午後3時からの意見交換会から参加した五十嵐教授は、法律家として昨今の公共事業と自然保護に関する判例などを紹介。この中で氏は長崎県諫早湾の例を上げ、「今日の新聞に掲載されたが、諫早湾では漁業者たちの訴えが認められて国の工事に中止命令が出た。工事が90%以上進んだ時点での工事中止命令は前例のないこと。近年は裁判所も環境に対する視点が大きくなっている」と語りました。
 なお、今回の大会はタイトルにもあるとおりプレフォーラムであり、本大会に向けた事前の大会といった性格のものです。本大会は以下の要項で開催されます。一般の方も参加できますので是非ご参加ください。

水害の危険が高いとされる赤倉温泉での視察。最上総合
支庁の担当者から説明を受けながら、川の拡張などにつ
いて意見交換が行われた

小国川上流のダム建設予定地付近で、最上総合支庁の
担当者から説明を受ける大熊教授。現在はダムが環境
にどんな影響を与えるかを調べる環境影響調査を行って
いる段階だと思うが、計画内容は微妙に変わってきている
様子だった

7月の新潟水害を例に上げながら小国川の治水について
語る大熊教授

「お湯とぴあ もがみ」で公演する天野礼子氏
      「第25回東北自然保護の集い」山形大会

●テーマ:ダム開発と公共事業を考える
●日時:10月16日(土)13:00〜17日(日)11:30
●場所:最上町赤倉温泉「お湯とぴあ もがみ」---大会会場
      湯守りの宿「三之亟」----------------夕食・交流会・宿泊
●日程:受  付-------10月16日12:00〜
      開  会-------   〃  13:00〜
      基調講演-----   〃  13:15〜(天野礼子「国内外のダム開発その課題」)
      現地報告-----   〃  15:00〜
      分科会-------   〃  16:00〜17:00
      夕食・交流会--   〃  18:00〜
      分科会-------10月17日8:30〜10:30
      全体会-------   〃  10:40〜11:30
      閉  会------    〃  12:00
      現地研修会---   〃  12:30〜14:30(希望者のみ)

参加費---集いのみの参加1000円 集い&交流会への参加6000円 宿泊込みの参加15000円
●申込み---参加申込者は申込書に記入の上、下記実行委員会宛にFAXまたは郵送。
●実行委員会--〒996-0033 山形県新庄市下金沢町16-35 海藤方 「神室山系の自然を守る会」

           
FAX.0233−22−8713

           郵便振替口座 神室山系の自然を守る会 02430−9−2413

◆主催---東北自然保護団体連絡会
<取材メモ>・・・ちょっと印象に残ったヤリトリです
1.現地視察でのやりとり
  ◆大熊教授「赤倉温泉が水害に遭う危険が高いというのがダム計画の大きな根拠になっているようだが、赤
   倉温泉の治水は川幅を広げれば十分に災害対策ができる。旅館が10数軒あってその移転がネックになると
   いうが、移転補償に例えば1軒1億円かかるとしても10数億円。今日の説明ではダム本体工事に85億円、
   河川改修など付帯工事を含め120億円ということだから、大幅に安くできる」
  ◆県の担当者「移転と言っても簡単じゃない。川幅はいまの2倍にしないと水害対策にならない。そうする
   と移転件数は概算で47軒になると見込んでいる。」
  ◆一般参加者「旅館でも移転ということになれば協力すると言っているところが多い。移転しない、ダム賛
   成といっているのは少数だ」
2.◆一般参加者「懇談会では、赤倉温泉の川を掘ると温泉に影響が出るから掘れないと言っていたが、新しく
   橋を架けたり護岸工事をしている。これはどういうわけか」
  ◆県の担当者「護岸工事はしたが川はそんなに深く掘っていないから温泉には影響しない。深く掘ると温泉
   に影響を与え補償問題になるので手が付けられない」
   「赤倉温泉は毎年のように水害になる」
『山形釣り情報』の意見・提案(思いつき)
これまで最上小国川ダムに関するさまざまなことを取材してきて、ひとつの解決案として思い描くことがあります。ダム建設は、主に赤倉温泉の水害対策として県が最も妥当な策として提示しているわけですが、ダムはその大小に関わらず環境に大きな影響を及ぼすのは事実です。また水害対策はダムでなくても可能と思われます。話は変わりますが、赤倉温泉の入込客数は年々減少している様子で、温泉街を歩いても道は狭く、街並みもあまり魅力的とは言い難く、失礼ながらこのままでは温泉地としての魅力をだんだん失っていくのではないかと懸念します。そこで思うに、再開発のような手法で、温泉街の移転と川の拡張をセットで行ってはどうかと考えます。県は川を掘ると温泉(源泉)に影響すると言っていますが、川幅を広げるのなら問題ないのではないでしょうか。川を広げ、街並みを美しくして温泉街の魅力を再構築する。様々な補助金も活用できるはずです。それでもダムとその関連で掛かるという120億円より安く上がるのではないでしょうか。川の環境も守られます。

●8/22、小国川で東北流友会の「鮎トーナメントスクール2004」が開催されました---8/24掲載
 東北流友会が主催する「鮎トーナメントスクール2004」が、今年も小国川を会場にして8/21と8/22の日程で開催されました。同スクールが小国川で開催されるのは今年で3年連続となりますが、これまでと同様に校長の永井茂氏、東北流友会会長の伊藤稔氏をはじめ、西角嘉昭、小貫藤夫、菊池正幸、大里光博、和氣淑影、木下誠也、岡崎孝(敬称略)といった豪華講師陣が参加。21日には舟形町農業体験実習館で仕掛け講習などが行われ、22日には講師陣(他に講師補佐18名含む)による実釣講習が行われました。今回も、東北、関東をはじめ遠くは山梨や静岡などから54名の受講生が参加し、それぞれがマンツーマンに近い形でアユ釣りの基本や最先端の技術を学んでいました。

クラス別に分かれて行った川での実釣り講習風景

講習終了後は一人ひとりにアドバイスを送りながら修了証
書が手渡された

永井茂校長、伊藤稔東北流友会会長をはじめ豪華講師陣
が勢揃い

東京調布市から家族3人で参加した矢嶋孝子さん。初心者
クラスで講習を受け、見事にアユを釣り上げた


●8/22、小国川で「G杯南東北地区がま鮎大会」が開催されました---8/24掲載
 
釣具メーカーのがまかつが主催する「G杯南東北地区がま鮎大会」が、舟形町を流れる小国川を会場にして8/22開催されました。大会には山形、宮城、福島から79名が参加し、来年の東日本ブロック大会出場をかけて釣果を競い合いました。1回戦は午前中の試合ということもあってトップは3時間で10尾の釣果。11:30〜13:30の2時間で行われた2回戦では、トップは20尾の釣果を上げていました。優勝したのは1回戦シードで2回戦から参戦した加藤新三選手。2位に8尾差をつける20尾で圧勝しました。結果は下表のとおり。
<上位入賞者成績>
順位 氏名 1回戦成績 2回戦成績
優勝 加藤新三 シード 20尾
2位 小野義明 8尾 12尾
3位 小要昭一 6尾 11尾(744g)
4位 矢内伸人 8尾 11尾(630g)
5位 今田栄一 8尾 9尾
6位 相沢敏正 10尾 8尾(578g)
7位 菅原仁志 10尾 8尾(570g)
8位 猪狩喜典 8尾 8尾(562g)

●8/7、小国川で「'04シマノ・ジャパンカップ鮎釣り選手権東北大会」開催---8/7掲載
  釣具メーカーの株式会社シマノが主催するアユ釣り大会「シマノ・ジャパンカップ鮎釣り選手権東北大会」が、今年も小国川を会場にして開催されました。大会には東北一円と北関東などから107名の選手が参加。好天のもとアユ釣りの技術を競い合いました。優勝を飾ったのは福島県から参加した黒沢洋一さんで、成績は1回戦11尾、2回戦11尾でした。山形県勢では尾花沢市の佐々木浩さんが3位に入り、地元舟形町の矢作寿朗さんが5位に入賞。上位5名までは来年のセミファイナル東日本大会に出場することになります。
<成績一覧>
順位 氏名 1回戦成績 2回戦成績
優勝 黒沢洋一(福島県) 11尾 11尾
2位 沢橋 賢(岩手県) 13尾 10尾
3位 佐々木浩(尾花沢市) 8尾 10尾
4位 高橋正明(宮城県) 8尾 9尾
5位 矢作寿朗(舟形町) 19尾 8尾
(以下、山形県在住選手の成績)
7位 松浦孝浩(東根市) 8尾 8尾
11位 古澤和美(西村山郡) 12尾 7尾
18位 伊藤光二(最上郡) 8尾 5尾
21位 小野義明(最上郡) 11尾 4尾
30位 安食正男(最上郡) 11尾 2尾

●「第28回G杯争奪全日本アユ釣り選手権」が8/2、小国川で開催---8/3掲載 
  釣具メーカーの株式会社がまかつが主催する「第28回 G杯争奪全日本アユ釣り選手権」が8月2日、昨年に続いて舟形町を流れる小国川を舞台にして開催されました。大会には、全国各地の予選を勝ち抜いてきた37名が集結。川の状況は今期一番というほど絶好のコンディションの元で、G杯をかけた戦いが繰り広げられました。
 試合はまず予選第一試合、予選第二試合があり、それを勝ち抜いた15名で準決勝が行われました。そして準決勝を勝ち抜いた3選手による決勝戦が、午後1時から3時の2時間で行われました。決勝戦に進んだのは、東日本大会入賞で出場した小林英司選手(栃木県)、西日本大会入賞で出場した小澤剛選手(愛知県)、同じく西日本大会入賞で出場した浅川進選手(奈良県)の3人。一ノ関大橋の下流で行われた決勝戦では、まず浅川選手が橋下の平瀬に入り、小澤選手はその下流の荒瀬へと続く落ち口付近へ。そして小林選手は、小澤選手のさらに下流の急瀬へとポジションを取りました。最初は小林選手が先行し4尾5尾と立て続けに釣り上げてリード。それを小澤選手、浅川選手が追う形となりましたが、中盤は一人が釣ればまた別の一人が釣るという緊迫した展開になり、釣果は一進一退。誰がトップをとるのかまったく予断を許さない中、最後になって浅川選手が数尾を立て続けに上げて、見事に栄冠を勝ち取りました。決勝戦での釣果は浅川選手が26尾、小林選手が21尾、小澤選手が19尾でした。
 今大会は川の状態が非常に良く、各選手の釣果が伸びてたいへん拮抗した戦いが繰り広げられました。そのため集まった多くのギャラリーも、釣果を指折り数えながら非常に高い関心を持って観戦していたのが印象的でした。
 <成績一覧>---準決勝進出者以上
順位 氏名 出身地 決勝成績 準決勝成績
優勝 浅川 進 奈良県 26尾 9ブロック1位--15尾
2位 小林英司 栃木県 21尾 7ブロック1位--10尾(552g)
3位 小澤 剛 愛知県 19尾 8ブロック1位--14尾(998g)
4位 谷口米生 京都府    8ブロック--14尾(766g)
5位 西田昌弘 静岡県   9ブロック--12尾
6位 広岡保貴 和歌山県   7ブロック--10尾(535g)
7位 川野 泰  青森県   8ブロック--14尾(658g)
8位 永田 保 兵庫県   9ブロック--11尾
9位 井上和典 宮崎県   7ブロック--10尾(487g)
10位 泉本 深 奈良県   8ブロック--13尾
11位 坂本 禎 栃木県   7ブロック--9尾
12位 糸井守男 栃木県   9ブロック--8尾
13位 田島 剛 群馬県   8ブロック--11尾(665g)
14位 大石勝典 滋賀県    9ブロック--6尾
15位 益子秀信 神奈川県   7ブロック--4尾

8/1は選手、役員、スタッフ、報道関
係者等約100名余りが一堂に会し、
瀬見温泉の旅館で発会式

決勝戦を戦い抜き、爽やかな笑顔で表彰台に立つ3選手。優勝
した浅川選手、2位の小林選手、3位の小澤選手。

発会式で来賓として挨拶する舟形
町の伊藤町長

「G杯全国大会を小国川で開催して
いただけることは光栄なことで感謝
したい」と挨拶した小国川漁協の沼
沢組合長

●今年から月光川(遊佐町)でもサケ釣りが可能になります---7/20掲載
県内ではこれまで、寒河江川でのみサケ釣りが認められていましたが(調査名目の許可制)、同様の方式で今年から遊佐町を流れる月光川でもサケ釣りができるようになります(最下流部の指定区間に限る)。サケ釣りをするには事前に往復ハガキで申込を行い、5,000円の利用料が必要になります。詳細は下記の通りです。
<月光川鮭有効利用釣獲調査の参加者募集>
日程 調査期間 : 平成16年10月11日(月)〜同年10月30日(金)
時間    : 午前5時〜午前11時30分
採捕場所 月光川西浜橋から吹浦新橋までの区間(約460m)
対象魚種 シロサケ
釣獲方法 ルアーフィッシング、フライフィッシング、餌釣り(全てシングルフック)
釣獲尾数 参加者1名につき2尾までとする。
ただしメスの時は指定の生け簀に入れていただきます。この場合は尾数には計算されません。(月光川は鮭のふ化事業河川ですのでご協力をお願いします)
応募資格 諸規則、釣りマナーを厳守する成人の方
募集人数 400名
利用料 5,000円(1日)
受付期間 平成16年8月2日〜8月31日(必着とします)
応募方法 官製往復はがきに住所、氏名(ふりがな)、年齢、性別、郵便番号、電話番号、参加希望日を記入の上、下記委員会へ送付のこと。
採捕従事予定者の決定 1.抽選  
受付終了後、各日募集数を超えた場合は厳正な抽選の上決定することにいたします。
2.決定通知 抽選の結果は、返信用ハガキで通知いたします。
返信用ハガキの宛名を忘れずに書いてください。
3.利用料の納入 採捕従事予定者に決定された方は、速やかに利用料を指定口座に納入してください。
採捕従事承認証の発行 利用料を納入していただいた方には、採捕従事予定者承認通知書、誓約書用紙、調査マニュアル資料をお送りします。
※調査当日は午前4時30分まで現場受付に誓約書と前記通知書を提出し、採捕従事者証の交付を受けてください。
応募申込先および問い合わせ先 〒999-8301 山形県飽海郡遊佐町大字遊佐町字舞鶴211
月光川鮭有効利用調査実行委員会(遊佐町役場 農林水産振興課内)
TEL.0234-72-3311(内線355)
FAX.0234-72-5896

●SOLAS条約に基づく保安対策のため、7月1日から酒田港周辺で立ち入り制限---6/17掲載
山形県が各家庭に配布している『県民のあゆみ』6月号にも掲載されましたが、海上人命安全(SOLAS)条約に基づく保安対策が今年7月1日から実施されるため、酒田港周辺の埠頭への立入りが一部できなくなります。なお、この立入禁止措置は、法律の改正がない限り半永久的に適用されることになるそうです。詳細は山形県からのお知らせをごらん下さい(ここをクリック)

●コイヘルペス病の拡散防止のため、指定水域でのコイ持ちだしなどを禁止---6/8掲載
6月8日付け山形新聞によると、県内でコイヘルペス(KHV)病に感染したコイが相次いで発見されたことから、県内水面漁場委員会は漁業法に基づいてコイヘルペスに感染したコイが発見された白竜湖周辺(南陽市)と東根市の二の堀周辺の2カ所について、捕獲したコイの持ち帰りや他地域への再放流などを禁止することを決定した。具体的には●前記2カ所の水域で捕獲したコイの持ち帰り禁止。●指定水域へのコイ放流禁止。●死んだコイを捨てることの禁止。以上が禁止事項になる模様だ。期限は来年3月末日まで。なお、指定水域は以下の通り。
<南陽市の白竜湖周辺>
*吉野川(最上川合流点から厨川堰まで) *屋代川(吉野川合流点から有無川合流点まで) *横堀排水路、沼尻堀排水路および白竜湖
<東根市の二の堀周辺>
*大旦川(最上川合流点から蝉田川合流点まで) *長瀞地内三号幹線排水路および二の堀

●山辺町の畑谷大沼にワカサギの卵を放流----5/17掲載
5月17日付け山形新聞によると、昨年10月に大規模なブラックバス駆除を行った山辺町の畑谷大沼で16日、作谷沢漁協などが中心となってワカサギの卵150万粒を放流した(朝日新聞では「500万粒」となっていました)。畑谷大沼はかつては県内有数のワカサギ釣り場として知られ、シーズンになると多くの釣り人で賑わっていた。しかし10数年前からブラックバスが目立つようになり、それに従ってワカサギが減少。近年はワカサギの卵を放流してもブラックバスのエサになり、かえってブラックバスを増加させることになると、放流を中止していた。昨年10月のブラックバス駆除でその危険もなくなったことから、ワカサギ(卵)の放流を再開させたかっこうだ。放流したワカサギの卵が順調に孵化すれば、来年1月には体長10cm前後まで成長する見込み。来シーズンは、今回の関係者の努力に感謝しつつ、マナーよくワカサギ釣りを楽しみたいものだ。

●高橋山形県知事が最上小国川ダム問題で、小国川漁協に「穴開きダム」を再提案---3/24掲載
3月23日付け山形新聞等によると、小国川の治水対策として県が建設を検討している最上小国川ダムについて、小国川漁業協同組合の役員12人が3月22日に県庁を訪れ高橋山形県知事と意見交換を行った。この中で小国川漁協は、最も洪水の危険があるとされている赤倉温泉地内の治水対策として、河道拡幅を提案したが、高橋知事は洪水時以外は貯水しない「穴開きダム」の建設案を再度提示したという。双方の意見が異なることから、今後はお互いの案について検討するということで今回の意見交換は終了した模様だ。ちなみに高橋知事は、小国川漁協の提案した河道拡幅について「現実的に可能か検証した上で、地元と十分に話し合いながら治水対策を進めていく」と方針を示したと、山形新聞は伝えている。
最上小国川ダムについては、小国川の治水対策として山形県が平成3年から調査を開始。その調査をふまえて、治水の具体的な方策としてはダム建設が最も適当としてダム建設案を示していた。その後、地域の代表者や関係者、学識経験者などからなる「最上小国川ダムを考える懇談会」が組織され、2001年7月から2002年3月までの間に5回の会合を開いて、小国川治水対策やダム建設の是非について話し合い、ダム建設について反対意見もある中で、最終的には賛成意見の多かった「ダム建設案」を肯定する形で意見をまとめていた。この懇談会での意見は「提言」の形で高橋県山形県知事に提出されている。今回高橋知事が示した「穴開きダム」は、その「提言」の中に検討すべきダムの形態として示されてものだ。(『山形釣り情報』注釈)

●赤川漁協より「アユの冷水病対策のお願い」---2/16掲載
  赤川漁業協同組合から、「アユの冷水病対策」についてのお知らせが届きましたので、以下に全文を掲載いたします。
           <アユの冷水病対策のお願い>

赤川漁協では、アユの冷水病予防と根絶に向け、次のことを組合員及び、遊漁者に対し強くお願い
いたします。

◎他河川から釣り上げたアユはオトリとして使わない事。
◎弱ったアユ、小さいアユ、傷ついたアユなどは絶対に再放流しないこと。

尚、他河川で使った道具は消毒などを行うよう、ご協力をお願いいたします。

また、このことは赤川から他の河川に行く場合も同じです。一人ひとりの注意が赤川を、しいては山
形県の川を冷水病から守ります。ご理解の上、ご協力をよろしくお願いいたします。

                                                 赤川漁業協同組合
※赤川のオトリアユを扱う「竿好」さんでは、道具類の消毒を行っています。
●昨年のアユ冷水病報道について・・・1/13掲載
  昨年9月、新聞やテレビで「県内の河川などで採取されたアユから冷水病菌が発見された」との報道がありました。当サイトでも新聞報道を引用する形でお伝えしましたが、その後、県の関係者の方などから「たしかに冷水病菌は発見されたが、心配するレベルになく過剰な報道だ」という意見を聞く機会があり、改めて正確な報道をするために、調査に当たった内水面水産試験場(米沢市)の研究員の方にお話を伺ってきました(取材は昨年12月4日)。以下、その内容をお伝えいたします。
  内水面水産試験場では昨年、県内を流れる小国川、赤川、小樽川、丹生川で採取した個体と山形県栽培漁業センター(鶴岡市)で育成された個体の、計5箇所で採取したアユについて冷水病検査を実施しました。検査方法は魚に付着した細菌類やウィルスのDNAを増幅させて検査機器にかけ、菌やウィルスの有無を確認するPCR(ポリメラーゼ連鎖反応法)と呼ばれるものでした。その結果、小国川で採取した個体からは60匹中3〜9匹から、赤川で採取した個体からは12匹中2匹から冷水病菌が確認されました。しかし、研究者の方によると「菌の発見がイコール感染ということではありませんし、PCR検査では死んだ菌が魚に付着していた場合でも反応が表れます。今回の検査では確かに菌は見つかりましたが、とうてい大量死に結びつくようなレベルではなく、間違いなく問題のない軽微なレベルです。」とのことでした。新聞やテレビではそうした部分が報道されなかったため、アユ釣りファンを驚かせる結果となったようです。また、一般の人はアユの体に穴があいていたり、小さな斑紋状のものがあったりするとすべて冷水病に結びつける傾向がありますが、そうした症状があっても必ずしも冷水病とは限らないとのことでした。他の病気の場合もありますし、アユの場合は針傷が化膿して穴状になったり、水カビが付着するケースもあるとのこと。ここ数年、県内の河川に放流されるアユは、全て県内の河川で前年秋に採取した魚から卵を採取して育てたもので、冷水病に感染することはなく、放流魚から冷水病が広がることはまず考えられません。可能性としては他から持ち込まれたオトリ用のアユか、アユタイツなどに付着していた菌が河川内に持ち込まれたというケースが考えられますが、たとえそうだとしても大量死に結びつくとは考えられません。いずれにしても昨年の冷水病報道は軽微なもので、心配するレベルにはありませんでした。正確な情報としてご記憶下さい。
※ちなみに、たとえ冷水病に感染したアユを食べても人体にはまったく無害です。