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山形県内の釣り関連ニュース2004 |
●12/12に開かれた最上川と小国川の治水に関するシンポジウムについて---12/14掲載 12/6に既報のように、12/12(日)、最上町の赤倉温泉地内「お湯とぴあ もがみ」において、「最上川と小国川の真の治水を考える会」主催のシンポジウム「近自然工法による治水を考える 〜最上川と小国川の“真の治水”を求めて〜」が開催されました。開会に先立って同会の事務局長を務める草島進一氏(鶴岡市議)が挨拶に立ち、会の設立主旨などを説明。この中で草島氏は、ダム計画の是非に議論が集中している小国川の治水対策を問題視し、「本当の意味での治水を考えていく必要がある」として同会の発足に至った経緯を語りました。 この後、大熊孝氏(新潟大学教授(河川工学))、福留脩文氏(西日本科学技術研究所 所長)、山形県土木部、天野礼子氏(アウトドアライターの各氏が、それぞれ専門分野の視点から小国川の治水対策や今後の議論のあり方などについて意見を述べました。 なお今回のシンポジウムには、地元を中心に約80名の方が参加。地元以外からも釣りや河川環境に関心のある方の参加が見られ、活発な質疑応答がありました。〜以上、概要報告。各氏の演目は12/6掲載記事を参照(法政大学教授・五十嵐敬喜氏は急遽欠席)。
●小国川の環境を憂う有志が「最上川と小国川の真の治水を考える会」を設立。 12/12にシンポジウム「最上川と小国川の“真の治水”を求めて」を開催します。---12/6掲載 舟形町と最上町を流れる最上小国川では、川の治水対策として最上町や山形県がダム建設を計画し、小国川漁業協同組合などが「治水はダムでなくても可能」としてダム計画に反対しています。こうした中でこの度、最上小国川や最上川の治水について考えようという有志が「最上川と小国川の真の治水を考える会」を発足し、12月12日にシンポジウムを開催することになりました。以下にシンポジウムの開催要項や、同会の設立主旨などをご紹介します。 なお、今回のシンポジウムで注目すべきは、山形県土木部がシンポジウムに参加して「小国川ダムはなぜ必要か」と題した講演を予定している点です。これは同会が単にダム反対を唱えるのではなく、ダム賛成(推進)の意見も聞きながら、文字どおり“真の治水”について考えようとする姿勢と思われ、評価すべき事かと考えます。釣りファンの皆様もぜひ参加して、それぞれの意見を聞いてみてはいかがでしょうか。
●10/18、「最上小国川(赤倉)治水対策に関する懇談会」が開催---10/19掲載(一部加筆・・・最終10/28) 10月18日(月)、「最上小国川(赤倉)治水対策に関する懇談会」が、最上町赤倉温泉地内の「お湯とぴあ もがみ」で開催されました。この懇談会には最上小国川の治水対策としてダム建設案を掲げる行政(最上町・県)と、治水はダムではなく他の対策でも可能とする小国川漁業協同組合、そして治水が必要とされる赤倉温泉地区に住む住民の3者が参加し、活発な意見交換が行われました。 夕方7時から開催された懇談会では、まず最上町の柴崎憲一建設課長による開会の挨拶。その後、高橋重美最上町町長が町代表者として挨拶に立ち、「最上小国川の治水対策には平成3年から調査が始まり10数年経っており、計画は大詰めに入ってきている。そんななかで町、漁業組合、地元住民の話し合いは今まで行われなかった。今回は実りある会議にしたい」と述べました。この後、出席者紹介、座長選出(最上町助役が選出)を経て懇談会となりました。 行政側は、これまでどおりに最上小国川の治水対策としては穴開きダムが妥当と主張。また、「本来は水を溜めるタイプの利水ダムを希望していたが、小国川漁協などのダム反対意見を採り入れて洪水時だけ水がたまる穴開きダムにした。新聞でも報道されたが県の公共事業債評価委員会でも事業継続は妥当とされた。バイパス(放水路)案、川の拡幅案などもあるがそれらは机上案であり、実効性、実行可能な案として穴開きダムを提案する」と述べました。それに対してダム案に反対する小国川漁協は、従来どおり穴開きダムを含むダム案への反対理由を主張しながら、それに変わる対策として川の拡幅案を提案。「赤倉温泉地内の川を掘ると源泉に影響するというが、拡幅なら可能。拡幅に伴って家屋の移転が必要になるが、移転に協力するという人も少なくない。合わせて温泉街の街並み整備も図れるのではないか」と述べました。しかしこの後の地区住民を交えた議論では、それぞれの案について冷静に検討するような発展的議論にはならず、平行線のままに終了となりました(9時終了)。 なお、懇談会の席上で行政側の一人から「地区住民の話を聞けるのはこれが最初で最後」といった内容の発言がありましたが、会の終了後に当方が高橋重美最上町町長に確認したところ、「これで最後というわけではない。今後も続く」という解答がありました。
●10/16日〜17日、「第25回東北自然保護の集い」開催。最上小国川ダムについても議論---10/18掲載 10月16日(土)と17日(日)の2日に渡り、東北自然保護団体連絡会議が主催する「第25回東北自然保護の集い」が、最上町赤倉温泉地内の「お湯とぴあ もがみ」で開催されました。今回は「ダム開発と公共事業を考える」を大きなテーマに、東北各地で活動する25あまりの自然保護団体や個人が参加。山形県内では「葉山の自然を守る会」「小国の自然を守る会」「鳥海山の自然を守る会」「出羽三山の自然を守る会」「神室山系の自然を守る会」の他、最上小国川ダムの建設に反対している「小国川漁業協同組合」も参加し、意見交換を行いました。 16日はまず、開会後にフリーライターの天野礼子氏が「国内外のダム開発とその課題 〜森から川、川から海へのつらなりをとりもどすために〜」と題して基調講演。この中で天野氏は、国内外のダホム事情を紹介しながら、「これから地球温暖化が進めば水害や土砂崩れなどはもっと増える。それを防ぐには川だけでなく森のこと、山のことを考える事が大事。ダムが良くないという考え方はある程度知られるようになったが、森と川、そして海は一体のものだ。これからは山は山、川は川というのではなく、山の人も川の人も一緒になって自然保護活動や運動をすべきだ」と語りました。 基調後援の後は、3つの分科会に分かれ、各団体がそれぞれの活動内容や自然破壊の実態などを報告。また各事例について積極的な意見交換が行われました。 なお、17日は取材しておりませんが、16日と同様に分科会に分かれて意見交換などを行った後、全体会と大会アピール採択を行った模様です。
8/30掲載のニュースにあるように、山形県内水面漁場管理委員会では産卵期にあるアユを保護するため「アユの禁漁期間の設定」を検討していましたが、その結果、今年10月1日〜10月7日までの1週間について、県内の河川・その支流及び小支流でのアユ採捕禁止が決定した模様です(小国町の荒川水系を除く)。いずれ新聞報道もあると思いますが、この期間は調査目的等で特別な許可を得ない限り、釣りでも網でもアユの採捕は禁止になります。皆様ご注意ください。 ●アユ禁漁期間の設定について、県内水面漁場管理委員会が広く意見を募集中---8/30掲載 山形県内水面漁場管理委員会では、山形県内水面漁業協同組合連合会からの要請を受けて「アユの禁漁期間の設定」を検討していますが、これについて県民の皆さんの意見を募集しています。募集期間は9/3締切となっています。意見のある方は下記のサイト(県のホームページ)をご覧になり、ご意見をお出しください。 http://www.pref.yamagata.jp/0.html (ゆとり都 山形トップページ) http://www.pref.yamagata.jp/ns/seiryu/796500/5550000.html (意見募集のページ) ●8/27、「第25回東北自然保護の集い 山形大会」開催。最上小国川ダムの是非を検討---8/30掲載
1.現地視察でのやりとり ◆大熊教授「赤倉温泉が水害に遭う危険が高いというのがダム計画の大きな根拠になっているようだが、赤 倉温泉の治水は川幅を広げれば十分に災害対策ができる。旅館が10数軒あってその移転がネックになると いうが、移転補償に例えば1軒1億円かかるとしても10数億円。今日の説明ではダム本体工事に85億円、 河川改修など付帯工事を含め120億円ということだから、大幅に安くできる」 ◆県の担当者「移転と言っても簡単じゃない。川幅はいまの2倍にしないと水害対策にならない。そうする と移転件数は概算で47軒になると見込んでいる。」 ◆一般参加者「旅館でも移転ということになれば協力すると言っているところが多い。移転しない、ダム賛 成といっているのは少数だ」 2.◆一般参加者「懇談会では、赤倉温泉の川を掘ると温泉に影響が出るから掘れないと言っていたが、新しく 橋を架けたり護岸工事をしている。これはどういうわけか」 ◆県の担当者「護岸工事はしたが川はそんなに深く掘っていないから温泉には影響しない。深く掘ると温泉 に影響を与え補償問題になるので手が付けられない」 「赤倉温泉は毎年のように水害になる」
●8/22、小国川で東北流友会の「鮎トーナメントスクール2004」が開催されました---8/24掲載 東北流友会が主催する「鮎トーナメントスクール2004」が、今年も小国川を会場にして8/21と8/22の日程で開催されました。同スクールが小国川で開催されるのは今年で3年連続となりますが、これまでと同様に校長の永井茂氏、東北流友会会長の伊藤稔氏をはじめ、西角嘉昭、小貫藤夫、菊池正幸、大里光博、和氣淑影、木下誠也、岡崎孝(敬称略)といった豪華講師陣が参加。21日には舟形町農業体験実習館で仕掛け講習などが行われ、22日には講師陣(他に講師補佐18名含む)による実釣講習が行われました。今回も、東北、関東をはじめ遠くは山梨や静岡などから54名の受講生が参加し、それぞれがマンツーマンに近い形でアユ釣りの基本や最先端の技術を学んでいました。
●8/22、小国川で「G杯南東北地区がま鮎大会」が開催されました---8/24掲載 釣具メーカーのがまかつが主催する「G杯南東北地区がま鮎大会」が、舟形町を流れる小国川を会場にして8/22開催されました。大会には山形、宮城、福島から79名が参加し、来年の東日本ブロック大会出場をかけて釣果を競い合いました。1回戦は午前中の試合ということもあってトップは3時間で10尾の釣果。11:30〜13:30の2時間で行われた2回戦では、トップは20尾の釣果を上げていました。優勝したのは1回戦シードで2回戦から参戦した加藤新三選手。2位に8尾差をつける20尾で圧勝しました。結果は下表のとおり。
●8/7、小国川で「'04シマノ・ジャパンカップ鮎釣り選手権東北大会」開催---8/7掲載 釣具メーカーの株式会社シマノが主催するアユ釣り大会「シマノ・ジャパンカップ鮎釣り選手権東北大会」が、今年も小国川を会場にして開催されました。大会には東北一円と北関東などから107名の選手が参加。好天のもとアユ釣りの技術を競い合いました。優勝を飾ったのは福島県から参加した黒沢洋一さんで、成績は1回戦11尾、2回戦11尾でした。山形県勢では尾花沢市の佐々木浩さんが3位に入り、地元舟形町の矢作寿朗さんが5位に入賞。上位5名までは来年のセミファイナル東日本大会に出場することになります。
●「第28回G杯争奪全日本アユ釣り選手権」が8/2、小国川で開催---8/3掲載 釣具メーカーの株式会社がまかつが主催する「第28回 G杯争奪全日本アユ釣り選手権」が8月2日、昨年に続いて舟形町を流れる小国川を舞台にして開催されました。大会には、全国各地の予選を勝ち抜いてきた37名が集結。川の状況は今期一番というほど絶好のコンディションの元で、G杯をかけた戦いが繰り広げられました。 試合はまず予選第一試合、予選第二試合があり、それを勝ち抜いた15名で準決勝が行われました。そして準決勝を勝ち抜いた3選手による決勝戦が、午後1時から3時の2時間で行われました。決勝戦に進んだのは、東日本大会入賞で出場した小林英司選手(栃木県)、西日本大会入賞で出場した小澤剛選手(愛知県)、同じく西日本大会入賞で出場した浅川進選手(奈良県)の3人。一ノ関大橋の下流で行われた決勝戦では、まず浅川選手が橋下の平瀬に入り、小澤選手はその下流の荒瀬へと続く落ち口付近へ。そして小林選手は、小澤選手のさらに下流の急瀬へとポジションを取りました。最初は小林選手が先行し4尾5尾と立て続けに釣り上げてリード。それを小澤選手、浅川選手が追う形となりましたが、中盤は一人が釣ればまた別の一人が釣るという緊迫した展開になり、釣果は一進一退。誰がトップをとるのかまったく予断を許さない中、最後になって浅川選手が数尾を立て続けに上げて、見事に栄冠を勝ち取りました。決勝戦での釣果は浅川選手が26尾、小林選手が21尾、小澤選手が19尾でした。 今大会は川の状態が非常に良く、各選手の釣果が伸びてたいへん拮抗した戦いが繰り広げられました。そのため集まった多くのギャラリーも、釣果を指折り数えながら非常に高い関心を持って観戦していたのが印象的でした。
●今年から月光川(遊佐町)でもサケ釣りが可能になります---7/20掲載 県内ではこれまで、寒河江川でのみサケ釣りが認められていましたが(調査名目の許可制)、同様の方式で今年から遊佐町を流れる月光川でもサケ釣りができるようになります(最下流部の指定区間に限る)。サケ釣りをするには事前に往復ハガキで申込を行い、5,000円の利用料が必要になります。詳細は下記の通りです。
●SOLAS条約に基づく保安対策のため、7月1日から酒田港周辺で立ち入り制限---6/17掲載 山形県が各家庭に配布している『県民のあゆみ』6月号にも掲載されましたが、海上人命安全(SOLAS)条約に基づく保安対策が今年7月1日から実施されるため、酒田港周辺の埠頭への立入りが一部できなくなります。なお、この立入禁止措置は、法律の改正がない限り半永久的に適用されることになるそうです。詳細は山形県からのお知らせをごらん下さい(ここをクリック) ●コイヘルペス病の拡散防止のため、指定水域でのコイ持ちだしなどを禁止---6/8掲載 6月8日付け山形新聞によると、県内でコイヘルペス(KHV)病に感染したコイが相次いで発見されたことから、県内水面漁場委員会は漁業法に基づいてコイヘルペスに感染したコイが発見された白竜湖周辺(南陽市)と東根市の二の堀周辺の2カ所について、捕獲したコイの持ち帰りや他地域への再放流などを禁止することを決定した。具体的には●前記2カ所の水域で捕獲したコイの持ち帰り禁止。●指定水域へのコイ放流禁止。●死んだコイを捨てることの禁止。以上が禁止事項になる模様だ。期限は来年3月末日まで。なお、指定水域は以下の通り。 <南陽市の白竜湖周辺> *吉野川(最上川合流点から厨川堰まで) *屋代川(吉野川合流点から有無川合流点まで) *横堀排水路、沼尻堀排水路および白竜湖 <東根市の二の堀周辺> *大旦川(最上川合流点から蝉田川合流点まで) *長瀞地内三号幹線排水路および二の堀 ●山辺町の畑谷大沼にワカサギの卵を放流----5/17掲載 5月17日付け山形新聞によると、昨年10月に大規模なブラックバス駆除を行った山辺町の畑谷大沼で16日、作谷沢漁協などが中心となってワカサギの卵150万粒を放流した(朝日新聞では「500万粒」となっていました)。畑谷大沼はかつては県内有数のワカサギ釣り場として知られ、シーズンになると多くの釣り人で賑わっていた。しかし10数年前からブラックバスが目立つようになり、それに従ってワカサギが減少。近年はワカサギの卵を放流してもブラックバスのエサになり、かえってブラックバスを増加させることになると、放流を中止していた。昨年10月のブラックバス駆除でその危険もなくなったことから、ワカサギ(卵)の放流を再開させたかっこうだ。放流したワカサギの卵が順調に孵化すれば、来年1月には体長10cm前後まで成長する見込み。来シーズンは、今回の関係者の努力に感謝しつつ、マナーよくワカサギ釣りを楽しみたいものだ。 ●高橋山形県知事が最上小国川ダム問題で、小国川漁協に「穴開きダム」を再提案---3/24掲載 3月23日付け山形新聞等によると、小国川の治水対策として県が建設を検討している最上小国川ダムについて、小国川漁業協同組合の役員12人が3月22日に県庁を訪れ高橋山形県知事と意見交換を行った。この中で小国川漁協は、最も洪水の危険があるとされている赤倉温泉地内の治水対策として、河道拡幅を提案したが、高橋知事は洪水時以外は貯水しない「穴開きダム」の建設案を再度提示したという。双方の意見が異なることから、今後はお互いの案について検討するということで今回の意見交換は終了した模様だ。ちなみに高橋知事は、小国川漁協の提案した河道拡幅について「現実的に可能か検証した上で、地元と十分に話し合いながら治水対策を進めていく」と方針を示したと、山形新聞は伝えている。 ◆最上小国川ダムについては、小国川の治水対策として山形県が平成3年から調査を開始。その調査をふまえて、治水の具体的な方策としてはダム建設が最も適当としてダム建設案を示していた。その後、地域の代表者や関係者、学識経験者などからなる「最上小国川ダムを考える懇談会」が組織され、2001年7月から2002年3月までの間に5回の会合を開いて、小国川治水対策やダム建設の是非について話し合い、ダム建設について反対意見もある中で、最終的には賛成意見の多かった「ダム建設案」を肯定する形で意見をまとめていた。この懇談会での意見は「提言」の形で高橋県山形県知事に提出されている。今回高橋知事が示した「穴開きダム」は、その「提言」の中に検討すべきダムの形態として示されてものだ。(『山形釣り情報』注釈) ●赤川漁協より「アユの冷水病対策のお願い」---2/16掲載 赤川漁業協同組合から、「アユの冷水病対策」についてのお知らせが届きましたので、以下に全文を掲載いたします。
●昨年のアユ冷水病報道について・・・1/13掲載 昨年9月、新聞やテレビで「県内の河川などで採取されたアユから冷水病菌が発見された」との報道がありました。当サイトでも新聞報道を引用する形でお伝えしましたが、その後、県の関係者の方などから「たしかに冷水病菌は発見されたが、心配するレベルになく過剰な報道だ」という意見を聞く機会があり、改めて正確な報道をするために、調査に当たった内水面水産試験場(米沢市)の研究員の方にお話を伺ってきました(取材は昨年12月4日)。以下、その内容をお伝えいたします。 内水面水産試験場では昨年、県内を流れる小国川、赤川、小樽川、丹生川で採取した個体と山形県栽培漁業センター(鶴岡市)で育成された個体の、計5箇所で採取したアユについて冷水病検査を実施しました。検査方法は魚に付着した細菌類やウィルスのDNAを増幅させて検査機器にかけ、菌やウィルスの有無を確認するPCR(ポリメラーゼ連鎖反応法)と呼ばれるものでした。その結果、小国川で採取した個体からは60匹中3〜9匹から、赤川で採取した個体からは12匹中2匹から冷水病菌が確認されました。しかし、研究者の方によると「菌の発見がイコール感染ということではありませんし、PCR検査では死んだ菌が魚に付着していた場合でも反応が表れます。今回の検査では確かに菌は見つかりましたが、とうてい大量死に結びつくようなレベルではなく、間違いなく問題のない軽微なレベルです。」とのことでした。新聞やテレビではそうした部分が報道されなかったため、アユ釣りファンを驚かせる結果となったようです。また、一般の人はアユの体に穴があいていたり、小さな斑紋状のものがあったりするとすべて冷水病に結びつける傾向がありますが、そうした症状があっても必ずしも冷水病とは限らないとのことでした。他の病気の場合もありますし、アユの場合は針傷が化膿して穴状になったり、水カビが付着するケースもあるとのこと。ここ数年、県内の河川に放流されるアユは、全て県内の河川で前年秋に採取した魚から卵を採取して育てたもので、冷水病に感染することはなく、放流魚から冷水病が広がることはまず考えられません。可能性としては他から持ち込まれたオトリ用のアユか、アユタイツなどに付着していた菌が河川内に持ち込まれたというケースが考えられますが、たとえそうだとしても大量死に結びつくとは考えられません。いずれにしても昨年の冷水病報道は軽微なもので、心配するレベルにはありませんでした。正確な情報としてご記憶下さい。 ※ちなみに、たとえ冷水病に感染したアユを食べても人体にはまったく無害です。 |