「山形釣り情報」・・・最上小国川の治水問題に関するレポート
 




●別のページにもレポートありますので、ご覧下さい。


  ★最近の動向について前鶴岡市議・草島進一氏のブログをご覧下さい。
  最上小国川の真の治水を考える会のHPもどうぞ。

 2008.12.6掲載(7日に一部追加)
 最上小国川の治水問題、県が赤倉地内温泉調査の報告会を開催
 〜県は一方的な“報告”に終始し、十分な質問の時間もとらず強引に閉会。問われる行政の姿勢〜
 
〈ニュース概要〉
 
山形県(最上総合支庁建設部河川砂防課)は12月4日、最上町中央公民館で「最上小国川 赤倉地内温泉影響調査報告会」を開催しました。この報告会は、県の最上小国川における治水計画(いわゆる穴あきダム計画)の進め方に疑問や不満を持つ地域住民などからの要望を受け、県が10月上旬に行った「温泉影響調査」について報告するために開催したもの。具体的にはその調査の目的や調査方法、調査結果、そしてその調査結果に基づいて県が出した“治水対策”の結論を、報告という形で公表しました。会場には地元住民を中心に180〜200人の聴衆が集まり、その報告に耳を傾けました。
  10月の温泉影響調査では、赤倉温泉地内を流れる最上小国川の“流れ”や“水位”などが、2つの旅館の湯舟に直接湧き出ている温泉とどういう関係にあるのか、また水位などの変化が温泉湧出にどのような影響を及ぼすかなどを調査。その結果、川の水位が低くなると温泉の湧き出し量が減り、逆に川の水位が高くなると温泉湧き出し量が増えるというように、
川と温泉は密接な関係にあることがわかったということでした。(詳細は下記掲載の◆資料参照のこと)
 
そして県では、この調査結果をもって「温泉地内の河床を掘削することは、温泉に影響を与えるため、治水対策は河川改修ではなく穴あきダムで行う」と結論づけました。会場からは、穴あきダム以外での治水を望む人たちから質問や疑問がいくつも出されましたが、そうした声はいつものようにダム賛成派の人たちのヤジで遮られ、また司会者が時間切れを理由にドタバタと報告会を閉会する始末。こうして報告会は文字どおり県からの一方的な報告で終わり、建設的な議論も意見交換もなく、中途半端で釈然としないものとなりました。
  県は今回の報告で「赤倉温泉の治水対策は、河川改修ではなく、穴あきダムでおこなう」と明言したことで、今後は穴あきダム建設に向けてより具体的な作業を進めていくものと思われます。しかしダム以外の治水対策を望む住民や団体は、今回の報告にまったく納得しておらず、むしろ県に対する不信感を一層募らせたような格好。よって、穴あきダム建設を進めたい県と、ダム以外の治水対策を求める住民や団体との間で、今後もさまざまな意見の申し入れなどが行われていくものと思われます。



報告会で県が配布した資料(PDFファイル)--1
         同                --2

県はスライドを使って調査内容を説明。しかしその説明は、説明の仕方も
用語もかなり専門的で、地元住民を対象にした報告会であることを考える
と、はなはだ配慮に欠けたものという印象でした。会終了後にその辺を県
側の担当者にただしたところ、山形県土木部河川砂防課のF氏は、「わか
る人が聞けばわかる」とコメント。また、今回の報告会を19時〜20時のた
った1時間に設定し、会場から質問が出ているにも関わらず時間切れを理
由に閉会したことについて質問したところ、山形県最上総合支庁・建設部
・最上小国川ダム建設室のS氏は「報告会なので1時間くらいあれば十分
と思った」とコメントしました。こうしたコメントから、わが山形県の行政人の
姿勢・資質というものがおわかりいただけるかと思います。なお、今回の
会を県が「報告会」と位置づけ、実際に質問や意見を制限して文字通りの
報告会に終始したことを考えると、今後改めて“質問を受け付ける場や、意
見交換および討議の場”などを設けるべきかと思います。

主催者を代表してあいさつに立った山形県土木部の幹部。今回は土木部
の最高責任者である高村部長は出席しませんでした。


取材後記(今回の報告会でポイントとなる部分の解説や、取材して感じたことなどを以下に書き出します。)

1. 今回の「温泉環境調査」は、どんな意味を持つものなのか!

◆今回の「温泉環境調査」の意味をお分かりいただくためには、まず「最上小国川の治水問題(ダム問題)」について概要をおさらいしておく必要があります。
  そもそも、なぜ最上小国川に「穴あきダム計画」が持ち上がったかといえば、それは赤倉温泉で過去に何度か川の増水・氾濫による水害の歴史があり、町の要請を受けて県が、赤倉温泉を中心とした最上小国川の治水対策を検討しだしたことに始まります。県は当初●ダム案、●放水路案(赤倉温泉を迂回するバイパス水路を作る案)、●河川改修案の3つで治水対策を検討したということですが、現実的にはダム案が最も妥当と結論づけ、それを流域住民を集めて立ち上げた「最上小国川ダムを考える懇談会」などにかけて説明してきました。ダムについては、最初は水を溜める多目的ダムを考えていたのが、途中から治水目的のみの穴あきダムへと変わったりしたものの、それでも県は一貫してダム建設案を妥当とし、強力に推し進めようとしています。この「ダム案が最も妥当」とする県のひとつの論拠となっているのが、「赤倉温泉地内の川をいじると温泉に影響する」ということです。わかりやすくいうと、川底を掘ったりすると温泉の湯脈を傷つける危険性があり、その結果、温泉の湧き出し量が減ったりする影響が考えられる、ということです。実際、過去に温泉地内を流れる小国川の川底を掘って温泉の出が悪くなり、県が補償金を支払ったこともあったようです。しかし、現在の技術をもってすれば、温泉に影響を与えないで河床を掘削したり、あるいは温泉地内の一部河川を拡幅したり、さらには堤防をかさ上げするなどの手法を複合的に用いることで治水は可能とする意見も多く、実際、土木工学や河川工学の専門家からもダムによらなくても治水は可能という見解が寄せられています。そうした中、今年になって県が「赤倉温泉地内の川をいじると温泉に影響する」としてきた論拠に、詳しい調査に基づいた具体的な裏付けがなかったことが判明。そこでダム案に反対する住民や団体などから、詳しい調査の要望が出され、それを受けて県は10月6日、温泉地内の川を一部せき止め、3名の学識経験者の指導のもとに調査を実施し、その結果を今回公表したというわけです。
  前置きが長くなりましたが、つまりは温泉地内の川底を掘っても温泉への影響を回避できれば、掘った分だけ水が余計に流れることになり、洪水になりにくい = だから、ダムでなくても治水はできる、となるわけです。そういう意味で、今回の調査は非常に重要な意味を持つものでした。

2. なぜ3名の学識経験者全員が報告会に出席しなかったのか?


今回の調査結果を元に、県は3名の学識経験者の意見を聞いて、「治水対策は河川改修ではなく穴あきダムで行う」と結論づけたと説明しています。3名の学識経験者とは、配布資料には氏名も肩書きも記されていませんでしたが、山形大学理学部・地球環境学科の山野井徹教授、山形大学地域教育文化学部・生活総合学科の川邉孝幸教授、(財)中央温泉研究所の高橋副所長の3名だそうです。当日の報告会には、この3名のうち(財)中央温泉研究所の高橋副所長だけが出席し、3名の統一した見解として資料を読み上げました(高橋副所長は、「私は3名の代表ではなく、あくまで統一見解を読むだけ」と何度も繰り返した)。これに対し「3名の統一見解といっても、ここで出るいろいろな質問に答えには3名とも出席するのが普通だと思うが、なぜ他の2名は出席しないのか」と参加者から声が上がりました。その質問に県の担当者(主に司会進行をした方)は、「お誘いはしているんですけども、ご都合が悪かったんじゃないかと思いますけども…」と歯切れの悪い回答。この点については参加者のいうように、会場からの質問を受ける以上は、どんな質問が出るかわからないわけで、3名の学識経験者がそろって出席するのは当然のこと。県は変な勘繰りを避けるためにも3名の学識経験者にそろっての参加を要請し、透明な報告会を行うべきだったと思います。県は今後、こうした質問や疑問に答える場を設けるべきですし、その場には3名の学識経験者もご出席いただいて、質問に答えていただくべきかと考えます。

3. 資料の中でのポイント1……「約60立方メートル増える」の根拠は?
  基本高水流量 毎秒約340立方メートルは妥当な数値なのか?

  右の図は、今回の調査結果に基づいて、仮に「河川改修」による治水対策を行った場合、こうなりますよというモデルケースを県が理論づけしたものです。これを見ると、川底を広げてたくさんの水が流れるようにする目的で、川底の砂や土・石などを温泉に影響がないように掘り起こした場合、温泉地内を流れる水の量は毎秒60立方メートル増えるといっています。しかし、その60立方メートルだけでは、県が想定する毎秒340立方メートルの流量に届かないため、川底を掘る方法ではやっぱり赤倉温泉の治水はできませんよという論理構成になっています。(ちなみに現在の赤倉温泉地内の流下能力は毎秒120立方メートルとのこと。これに60立方メートルをプラスして180立方メートル。想定する340立方メートルには160立方メートル足りないのだという)
  しかし、毎秒60立方メートルという数字をどうやって算出したのか説明はありません。県は、明確な科学的根拠を示さなくてはなりません。
 また、県が想定する毎秒340立方メートルの流量にも、専門家から
過大に過ぎるとの指摘があり、本当にこれが妥当な数値設定なのか議論の余地が十分にあります(これまで十分な議論はなされていません)。
  以上のような理由で、県が今回の調査結果をもとに「治水対策は穴あきダムで行う」と結論づけたのははなはだ早計で、極めて短絡的といわざるを得ません。

4. 資料の中でのポイント2……水位を維持する施設づくりは、本当に困難なのか?
  
  右の図は、上記3と同様に、県が今回の調査結果に基づいて出してきた河川改修による治水対策の試案です。少し専門的になりますが、今回の調査で、河川の水位と2つの温泉旅館の湯舟に直接湧き出している温泉とは、密接な関係にあることがわかりました。川の水位が下がると温泉湧き出し量は減る。逆に水位が上がると温泉湧き出し量は増える。このことから、2つの旅館の湯船に直接湧き出している温泉の量を維持するためには、川の水位が一定以上に保たれることが必要のようです。
  現在は、温泉地内を流れる小国川に高さ1.7mほどの堰堤があり、それが水位を高く保つ役割を果たしています。しかし専門家によると、増水時にはその堰堤が水流を阻害し、洪水を起きやすくするというマイナスの作用を果たすことになっているそうです。そこで注目されるのが、国土問題研究会の清野真人氏が提案している「現在ある高さ1.7mの固定堰を可動式にし、普段はその可動堰によって水位を高く保ち、増水時には可動堰を開放することで水の流れをスムーズにし、水位の上昇を抑える」というプランです。右の図は、その清野氏のプランに対して県が出してきた試案ですが、報告会では説明がわかりにくかったことと、この説明の部分について早く終わらせようと駆け足で説明した印象で、まったく説得力を感じませんでした。この部分については、3名の学識経験者の誰が検討し、「困難である」と結論づけたのか確かめたい気持ちでしたが、それも叶わずに終わってしまいました。
  いずれにしてもこの部分については、県は再度、機会を設けて丁寧でわかりやすい説明をすべきです。また試案の検討にあたっては、県土木部内の人間や、自分たちが独自に選定した学識経験者だけで行うべきはなく、例えば最初に可動堰のプランを提唱した清野氏や、河川工学の権威で最上小国川の穴あきダムについては何度も現地調査や検討を重ねられている今本博健・京大名誉教授などの意見も聞きながら検討すべきと考えます。
5. 最後に記者雑感
  今回記者は、報告会がバタバタと閉じられた直後、県の担当者たちの所に足を運び、「今回の報告会のやり方(一般人にわかりにくい資料、一般人にわかりにくい説明の仕方など)について、これでいいのか」という疑問をぶつけてきました。また、たった1時間の時間設定で、質問も数を限定し、質問が長引くと『簡潔にお願いします』とプレッシャーをかけるやり方。最後はダム賛成派の人たちのヤジと罵声の中で、ドタバタと報告会の幕を閉じるやり方。その終わり方は、まるで場外乱闘のドタバタの中でゴングが乱打されてオシマイとなる、何十年も前のプロレスを見るようでもありました。そして堪らず、「こんな報告会のやり方でいいと思っているのか」と言葉をぶつけてきた次第です。県のやり方に、あまりにも腹が立ったからです。
  こうした県の姿勢は、今に始まったことではなく、2001年7月に開かれた「第一回 最上小国川ダムを考える懇談会」の時からずっと変わらないものです。最初からダム賛成の人が大勢を占めるメンバー構成のもとで開かれた、第一回懇談会。その中でダム反対の人が意見や質問をすれば、きまって「質問が長い」とか「お前ばかりしゃべるんじゃない」とか横やりのヤジが入り、挙句の果てには公正であるべき県職員(土木部河川砂防課)の司会者が、発言を遮ってしまうようなやり方。そうした行為は、あらゆる懇談会、報告会、委員会でほぼ毎回見られました。そうしたやり方が、建設的な意見交換や討議の場を失わせることになり、一方では地元住民の間に賛成派と反対派の“仲たがい”とでもいうべき空気を作り出すことにもつながってしまいました。これは明らかに、県土木部河川砂防課、あるいは最上総合支庁建設部の責任だと思います。行政は、いやこれらの部署で働く皆さんは、こうした責任をどう考えているのか、組織のせいにせず自らの頭と心で考えてほしいものです。そして正すべきところは、勇気をもって正していただきたいものです。記者も勇気をふるって取材し、書いているのです。
  県の組織とは違いますが、国土交通省の出先機関には、たとえば山形河川国道事務所には、「地域づくり推進室」なるものがあって、地域づくりに関する相談を受け付けることになっています。一般に「地域づくり」といえば、地域住民の交流促進や地域の活性化などを目的に、住民参加の様々な催しなどを行うのを言うと思いますが、でもそうした「地域づくり」を掲げる国土交通省と密接な関係にある県土木部が、地域住民の仲たがいにつながるようなことをしていていいのでしょうか。いいわけはないと記者は考えます。
  まだ遅くはありません。最上小国川の治水対策はどんな方法が最も良いのか。赤倉温泉を水害から守り、そして温泉街や地域の活性化を図るには、どんな方法がいいのか。ダム賛成派も反対派もなく、本当に純粋な気持ちで、これからの地域のために、またわれわれの子どもや孫たちのためにも、考えましょう。(当サイト管理人・佐藤)

08.4.25掲載
●日本共産党県議・笹山一夫氏が県議会で赤倉温泉の温泉調査について質問との報道
 4月24日付けの山形新聞によると、23日に開かれた県議会の景気・雇用対策特別委員会において、日本共産党の笹山一夫氏が問題となっている最上小国川ダム建設に関し、「赤倉温泉そのものの温泉調査が欠けている」と県の考えをただしたとのこと。これに対し野川厚河川砂防課長は「温泉調査は1996年度から2002年度まで一定の調査をしており、07年度も中央温泉研究所に委託し調査した。それらの結果も踏まえ、本年度も地元と調整し、実施していきたい」と答えた、ということです。
 また、同日の山形新聞では“県幹部に聞く”として高村義晴土木部長のインタビュー記事も掲載していますが、その中で山形新聞の
「最上小国川の穴あきダム建設要望に際し、県が説明資料に地元漁協の役員の建設への賛否動向などをしていた問題が発覚した」という問いに対し、「重要なのは地元漁協や地域の皆さんがどう思っているかで、信頼関係の回復に務めていく。漁協の方には必要であればあらためて説明もしていきたい。できれば、地元漁協も含めて、今回の穴あきダムが環境にどのような影響があるかを考えていく検討会を立ち上げ、意見交換していきたいと考えている」と回答したということです。

●日本共産党県議団が「最上小国川ダム問題報告会」を開催…08.4.18掲載
 最上小国川の治水対策で“ダムに頼らない河川改修による治水対策”を提案している日本共産党山形県議団は4月16日、最上町の「お湯トピアもがみ」でダム問題に関する最近の調査結果や活動内容についての報告会を開催しました。午後7時から始まった報告会では、まず山形県議会議員の笹山一夫氏が主催者を代表して挨拶に立ち、その後、地質学を専門とする山形大学地域教育学部の川辺孝幸教授が、赤倉温泉の温泉湧出メカニズム等について説明。この中で川辺教授は、「山形県は最上小国川の治水対策として、河川改修は赤倉温泉の源泉に影響を与えるために適当でないと県(土木部河川砂防課)では言っているが、それは昭和63年に起きた事例を例に出して述べているだけで、十分な調査をしてのものではない。そもそもどういうメカニズムで赤倉温泉にお湯が湧いているのかさえ調べていない。県の調査は不十分というしかなく、それで治水対策にはダムしかないというのは早計過ぎる。まず十分な調査をするのが必要だが、私の考えでは赤倉温泉の場合、河床をいじっても本質的に温泉が影響を受けることはない」と述べました。
 また川辺教授に続いて説明に立った国土問題研究会の清野真人氏(土木工学が専門)は、
「県が採択した穴あきダム案にはいろいろな面でごまかしがある。まず穴あきダムは環境に優しいと県は言うが、穴あきダムはけっして環境に優しいとは言えないし、治水対策を考える上での基となる基本高水流量の設定も高すぎる。河川改修で治水を行うと40年かかるというのもウソ。川辺教授の話にもあったが、温泉を守りながら河川改修することも可能だ。最上小国川の治水対策を考えるなら、安易にダム建設に走るのではなく、清流を生かしながら持続的に発展する地域振興計画と治水計画をセットにして、その具体策を流域住民とともに考えるべきだ」と述べました。
 そして最後に山形県議会議員の渡辺ゆり子氏が、県議会等で行ってきた最上小国川ダム関連の質問や県の対応などについて説明。特に、県がダム建設を採択し国に予算要求を行う際の資料として、小国川漁協の役員名とともにどの役員がダム建設に賛成か反対かを記した資料については、県が公開した資料では「凡例」の部分が塗りつぶされていて何が記されているか不明だが、国土交通省が公開した資料ではその「凡例」の部分が塗りつぶされていないためどの役員がダム建設に賛成か反対かを記したものであることがわかると指摘。またこの資料に関しては、個人の思想信条や個人情報保護の観点から憲法や県条例に抵触するものであることを改めて指摘しました。

挨拶に立つ日本共産党山形県議団の笹山一夫県議

川辺教授が説明で使用したスライドの1カット。

川辺教授の説明スライドより。

清野氏が説明で使用したスライド写真より。

清野氏が説明で使用したスライド写真より。

渡辺ゆり子県議が説明で使用したスライド写真より・・・写真のタイトルにもあるように、この資料は
日本共産党山形県議団の資料請求により山形県が公開したもので、「凡例」の部分も塗りつぶされ
ている。

こちらは国土交通省が情報公開した資料。県が公開したのと内容は同じだが、「凡例」の部分が塗りつぶされておらず、
漁協の各役員がダム反対派なのか賛成派なのかを色分けしたのが伺い知れる。
日本共産党県議団のホームページはここをクリック

●地域住民への説明会は、ダム賛成と反対で意見二分。
  質疑は紛糾し、双方の歩み寄りも意見集約もないまま知事の最終判断へ
・・・06.11.25

  昨日24日、県が最上小国川で計画している穴あきダム建設について流域住民に説明する「最上小国川治水対策・住民説明会」が最上町中央公民館で開催されました。夕方6時半に始まったこの会では、主催者の県土木部がスライドを用いて約1時間、最上小国川の治水対策に関する一連の経緯について説明。その後、質疑に移り、ダム建設促進派とダム以外の治水対策を求める側の双方から意見が相次ぎました。この質疑では、意見の異なる住民の質問や意見に対して、遠慮のないヤジや罵声を浴びせるシーンが数多く見られ、質疑が一時中断して場面も。それでも会は時間切れを理由に予定通り8時40分に終了し、ダムかダム以外の治水方法かで大詰めに来ている現状を考えると極めて中途半端な説明会となりました。またこれまでもダムかダム以外の治水かで地域住民の意見は分かれていましたが、今回はその意見の違いから感情的な対立構造が浮き彫りになり、はなはだ後味の悪い住民説明会となりました。
  しかし、そのような会だったにも関わらず、終了後の記者質問に対して県土木部の池田隆部長は「今日の説明会で、我々としてはやるべきことはすべてやった。あとは斎藤知事の最終判断をあおぐだけ」と解答。ダム以外の治水方法を訴える人たちから、計画の進め方についてさまざまな疑問が出され、代替案が提出され、さらに知事に直接面談を申し入れている人たちがいるにも関わらず、それらを無視する形で、最上小国川の治水対策は最終局面へ向かおうとしています。・・・以上、概略

ダム以外の治水を求め、資料を出して穴あきダムの弊害を訴えようとするダム反対はの人に対し
て、ダム賛成派からは「退場しろ、帰れ」といったヤジや罵声が上がり、一時紛糾する場面もあった

説明会での意見を時間がないと遮られたため、終了後に県土木部の幹部に島根県益田川の穴あ
きダムの写真を示し、実際は環境に悪影響があるにも関わらず影響は小さいと言い続ける県側
に対して説明を求める草島氏(草島氏は「最上小国川の真の治水を求める会」事務局長)
取材メモ・その1>
そもそも今回の住民説明会は、11月16日に斎藤弘山形県知事が小国川漁協の幹部と意見交換を行った際、知事から漁協側に「地元住民の方々に十分な説明をするために、最上川水系流域委員会がダム案、放水路案、河道改修案の3案についてメリットとデメリットなどを説明する場を設けたい」と提案されて開催されたものです。記者自身その場にいて取材していたこともあり、24日は知事自身が説明会に出席し、住民の意見を直接聞くのかとも思っていました。また一連の説明にしても、知事から「最上川水系流域委員会が云々」という言葉が出ていたため、同委員会の方が説明に立つのかとも思っていました。しかし実際はその場に斎藤知事の姿も流域委員会の方の姿もなく、説明に立ったのは県土木部の人で、これまで何回も開催されてきた懇談会や流域委員会、その他の説明会などと基本的には同じもの。内容的に何ら新しいものもなく、記者としては期待はずれの説明会に終わりました。会終了後に県土木部河川砂防課の幹部に確認したところ、今回の説明会開催を提案したのは同課ではなく、斎藤知事に間違いないとのこと。それならば知事は、なぜ自ら提案した説明会に足を運び住民の声に耳を傾けないのか。記者としてははなはだ疑問でした。砂防課の幹部によると、「知事はいろいろお忙しいから」ということで、説明会の模様については河川砂防課がまとめる資料や直接の報告などで知事に伝えられる模様です。それをもって知事は最終判断を下そうとしているようです。100億円をゆうに超える公共工事。ダムか、それともダム以外の手法かで地元住民の間に亀裂が生じる中、最終局面にきてのこの対応には、疑問を感じるばかりです。はたして斎藤知事はどのような最終判断を下すのか。地元民や県民のみならず、全国の人が注目しているはずです。(文:佐藤豊)

●斎藤弘山形県知事が舟形町を訪れ、小国川漁協幹部と意見交換。・・・06.11.16掲載(17日に一部加筆、修正)
本日16日、斎藤弘山形県知事は県土木部河川砂防課の担当者らとともに舟形町を訪れ、舟形町中央公民館で小国川漁協の幹部たちと最上小国川の治水対策に関する意見交換を行いました。4時30分に会場に到着した斎藤知事は、簡単な挨拶の後、小国川漁協の沼沢組合長や理事など14名とさっそく意見交換。知事は、小国川漁協がダム建設案に反対している理由やこれまで10数年に渡る経緯などについて説明する沼沢組合長の声に耳を傾けながらも、知事としては「県民の生命と財産を守るのが第一」と強調しました。今後について斎藤知事は、「地元住民の方々に十分な説明をするために、最上川水系流域委員会がダム案、放水路案、河道改修案の3案についてメリットとデメリットなどを説明する場を設けたい」と提案。しかし漁協側は、最上川水系流域委員会の委員構成や議論のあり方そのものがアンフェアであったことを指摘し、知事の提案には具体的にどんな形の説明会になるのかを聞いてから検討し対応したいと返答しました。
なお小国川漁協としては、今回の知事との意見交換は一昨日の14日に急に知事側から話があったもので、準備も何もできていない状況での話し合いだったこともあり、組合としての意見をまとめ今月20日以降に再度話し合いの時間をとっていただくよう斎藤知事に要請しました(以上概略)
追加・・・意見交換終了後に斎藤知事は記者団の質問に答え、「どのような治水対策をとるかの最終判断は、時間的なことも考慮するが、自分自身が納得するまで検討したい」と明言しました。

舟形町中央公民館の研修室で行われた意見交換の様子。写真左側の列に並ぶのが斎藤弘山形県知事
と池田隆土木部部長、加藤令一河川砂防課課長など。

●最上小国川の治水対策で、ダム賛成派が大会を開き、
  ダムによる治水を求めた大会決議を採択。
・・・06.11.16掲載

穴あきダムか、それともダム以外の方法による治水かで意見が分かれている最上小国川の治水対策で、山形県土木部とともに穴あきダム建設の促進を目指している「最上小国川治水堤建設促進協議会」(会長:高橋重美最上町町長)は11月14日、最上町中央公民館で「最上小国川『穴あきダム』早期実現町民大会」と題した大会を開き、早期実現に向けて以下の4項目を盛り込んだ大会決議を採択しました。
<4項目は次のとおり>
 ●穴あきダムの実現に向け、全町挙げて取り組んでいくこと。 
 ●安全で安心な町づくりのため、国・県の機関に『穴あきダム』の早期着工を強く要望すること。 
 ●町民はもとより広く県民に『穴あきダム』の必要性を訴えること。 
 ●『穴あきダム』の実現に向けた署名活動を赤倉温泉地区から全町に広げていくこと。

  同公民館大ホールで開かれた大会には町内外から約450〜500名ほどの地域住民が参加。最初に京都大学大学院助教授の角哲也氏が「治水専用(流水型)ダムに関する考え方について」と題して基調講演。水を貯める多目的型ダムと水を貯めない穴あきダムの違いや、穴あきダムの特徴、穴あきダムの国内外での事例などを紹介しながら、最上小国川のケースには特に何も触れないまま「治水専用の穴あきダム(流水型ダム)は21世紀のダムとして提案したい」と講演を締めくくりました。その基調講演の後の町民大会では、高橋重美最上町町長をはじめとした町の幹部が同協議会の役員としてずらりと壇上に並び、演台をはさんだ反対側にはダム建設に賛成する県議会議員や最上町を選挙区に含む国会議員(いずれも本人の代理として秘書などが出席)が顔をそろえました。そして県議らが来賓挨拶としてダム推進を声高らかに応援した後、赤倉温泉内の旅館経営者や赤倉温泉女将の会の代表者、赤倉温泉ファンの元山形市議、そして小国川漁協組合員で下白川地区区長の4名が、「穴あきダム賛成」の意見発表を行いました。そして最後に大会決議を採択し、町民挙げて穴あきダムを推進していくことを確認して閉会しました。

「穴あきダムを21世紀のダムとして提案したい」と語った、元建設省職員で現京都大学大学院助
教授の角哲也氏。

基調講演後の町民大会で開会の挨拶を行う最上小国川治水堤建設促進協議会の副会長で最
上町議会議長の伊藤一雄氏。会場には建設関係とおぼしい方たちが多数見受けられた。

壇上に並んだ県議の皆さんと国会議員(代理)の皆さん

こちらは主催者である最上小国川治水堤建設促進協議会の幹部の皆さん

●最上小国川の治水計画(ダム計画)について、
  県土木部と「最上小国川の真の治水を考える会」が意見交換
・・・06.11.9掲載
 
最上小国川の治水対策で県が進めるダム建設案に反対し、ダム以外による治水対策案を提唱している「最上小国川の真の治水を考える会」(押切喜作代表)は11月8日、県庁内にある土木部河川砂防課を訪れ、最上小国川の治水対策について意見交換を行いました。この話し合いに、土木部からは池田隆土木部長をはじめとする河川砂防課のメンバー7名が参加。一方の「最上小国川の真の治水を考える会」(以下「考える会」)からは押切代表をはじめ京都大学名誉教授(河川工学)で京大防災研究所所長、淀川水系流域委員会委員長などを歴任してきた今本博建氏やアウトドアライターの天野礼子氏など8名が参加しました。
  話し合いではまず、考える会を代表して今本博建氏が、同会が県に提出している代替案について説明。一つひとつ技術的な根拠や可能性を示しながら、ダムに依らない手法で最上小国川の治水が可能だと説明し、県側に治水対策の再考を求めました。これに対して池田土木部長は、今本氏が提示した一つひとつの項目をことごとく否定。「検討はするが、最上川流域委員会が意見集約して知事に提出した穴あきダムによる治水対策が最も妥当で、議論は尽くされた」として、かねてからの予定通り11月中にもダムの整備計画を策定する意向を表明しました。
 今後は斉藤弘山形県知事がどのような判断を下すのかに焦点が集まることと思われますが、考える会では今後、斉藤知事に面会を求めて直接代替案を示し、赤倉温泉街の街づくり(活性化)を含む最上小国川の治水対策案をアピールしたい意向。どのような治水対策が策定されるか一つの区切りの時期を迎えつつあるだけに、県土木部および考える会のこれからの動きと、斉藤弘山形県知事の対応・判断が大きく注目されます。

取材陣が取り囲む中で行われた話し合いの様子。池田隆土木部長(向こう側左から3人目)
は、考える会が提案する案に対して口では「検討する」と言いながら、深く検討する様子も姿
勢も見せないまま簡単に否定を繰り返した。

土木部との意見交換の後、考える会のメンバーは県庁記者クラブで記者会見を行った。この
場において今後の対応を問われた天野礼子氏は、「この問題はもはや政治的な問題になっ
ており、今後は知事に直接訴えることも考える」と記者団に答えた。

●県議会の景気・雇用対策特別委員会で、伊藤孜議員が
  最上小国川の治水計画(ダム計画)について質問
・・・06.11.9掲載
 
11月8日に開かれた県議会の景気・雇用対策特別委員会で、「山形21世紀の会」の伊藤孜議員が最上小国川の治水対策について質問を行いました。伊藤氏は県土木部が進めている最上小国川のダム計画について、今後のスケジュールや建設費などについて質問しながら、「最上小国川の真の治水を考える会」が10月28日に開催したシンポジウムにおいて、県側に参加要請があったにもかかわらずそれを断ったのはなぜかと質問。これに対し河川砂防課の加藤課長は「同会からは計画中のダムについて説明してほしいということで要請があったが、時間が15分ということで、それでは短くて説明しきれないとお断りした。止む終えない対応だったと考えている」と解答しました。また最上小国川の真の治水を考える会が提出した代替案についての考えや対応を伊藤議員が質問したのに対し、加藤課長は従来の主張を繰り返しながら同会の代替案は現実的でないと否定。懸念される環境への影響については、「十分に検討して影響は少ないと考えているが、絶対に影響が出ないとは言えないので、ダム建設前と後のモニタリング調査を実施して、影響があれば対応していきたい」と解答しました。伊藤議員からは「行政側には県民に対する説明責任があり、さまざまな場所に出かけてその責任を果たし、県民の理解を得るということをしっかりとやってほしい。また反対意見や少数意見を軽視することなく対応し、互いに良かったと言えるように了解を得られるようにしてほしい」と要望があり、加藤課長は「さらに説明を重ねて理解を求めていきたい」と解答しました。
●民主党代表代行の菅直人氏らを招き、
  「最上小国川の真の治水を考える」シンポジウム開催
・・・06.10.30掲載
 
最上小国川の治水対策で、ダム以外の方法による治水が可能だとして県が推進するダム建設案に反対している「最上小国川の真の治水を考える会」(押切喜作会長)は10月28日、新庄市の新庄市民プラザで「山形のダムと公共工事を考える」と題したシンポジウムを開き、約150名の参加者を前に基調講演やパネルディスカッションを行いました。このシンポジウムで「最上小国川の真の治水を考える会」は、ダム案に代わる最上小国川の治水対策代替案を公表。代替案は「最上小国川の真の治水を考える会」をはじめ京都大学名誉教授・今本博建氏、新潟大学工学部教授・大熊孝氏、法政大学法学部教授・五十嵐敬喜氏、アウトドアライター・天野礼子氏の連名によるもので、天野氏らは今後は代替案をさらに具体的なものにして、斉藤弘山形県知事及び担当部署の山形県土木部河川砂防課に提案していくと明言しました。
  この日のシンポジウムでは、まず主催者を代表して「最上小国川の真の治水を考える会」押切喜作会長が開会挨拶。その後、事務局の草島進一氏から最上小国川の治水対策に関する経緯説明があり、それを受けて京都大学名誉教授・今本博建氏、新潟大学工学部教授・大熊孝氏、アウトドアライター・天野礼子氏の3氏が、それぞれのテーマに沿って基調講演を行いました
(各氏の講演内容については別掲)。そして基調講演の後は、アウトドアライター・天野礼子氏が進行役となり、民主党代表代行の菅直人氏と法政大学法学部教授・五十嵐敬喜氏によるパネルデイスカッション。「本当に必要な公共事業を行うために」と題したこのパネルデイスカッションでは、両名がそれぞれの専門分野から公共事業における問題点などについて話し合いました(発言内容は別掲する予定)
 そして最後に、「最上小国川の真の治水を考える会」と今本氏、大熊氏、五十嵐氏、天野氏の連名による代替案を発表し、前述のとおり今後は代替案をより具体的にして斉藤弘山形県知事及び担当部署の山形県土木部河川砂防課に提案すると明言しました。
・・・以上概要をお伝えしました。各氏の基調講演やパネルディスカッションの詳細については、また追って掲載します。


アウトドアライターの天野礼子氏が進行役となって、民主党代表代行の菅直人氏と法政大学法学部教授・五十嵐敬喜氏がそ
れぞれの視点から現在の公共工事の問題点や、改善に向けたビジョンなどを語り合った

パネルディスカッションで進行役を務め、
基調講演も行ったアウトドアライターの天
野礼子氏。ダム建設反対の運動につい
ては、「県外から来た私たちより、もっと地
元の皆さんがやっていかないといけない」
と指摘した。

民主党代表代行の菅直人氏は、「日本の
役所は、お金(予算)を使えば使うだけ力
が評価される権限が増していくシステム
になっていて、それが最大の問題」と指
摘。政権交代でこうした構造の改善を目
指したいと語った。

五十嵐氏は小国川の治水対策で、「ダム
建設がいいのか、それとも赤倉温泉を活
性化させる別の方法がいいのか。赤倉温
泉の将来を考えて、県は政策転換すべき」
と発言し、会場の拍手を浴びていた。

山形県が推進するダム案に代わる治水対策案について説明する新潟大学工学部教授・大熊孝氏と、連名の各氏。



●10月16日「最上川水系流域委員会」が開催。
 委員会の意見はダム建設容認の方向だが、委員会運営や意見のまとめ方に
---2006.10/18掲載

 
最上小国川の治水対策について話し合うため、山形県土木部河川砂防課は8月24日に第11回最上川水系流域委員会を開催しました。しかし、その場では委員の意見集約がされなかったため、同砂防課では10月16日に再び「第12回最上川水系流域委員会」を開催し、最上小国川の治水対策(ダム建設は是か非か)について話し合いましたされました。
 同委員会には山形県土木部河川砂防課が委員を委嘱した13名のうち10名が参加(3名欠席※1)。議事は前回第11回会合での議事内容の報告・確認や、第11回会合で委員から出された質問や意見に事務局(山形県土木部河川砂防課)が答える形でスタート。その後、高野委員長をはじめとする委員が各自の意見を一言か二言という感じで述べ合いましたが、誰からも「穴あきダム以外の治水対策を」という意見は出ず、「全体的になんとなく穴あきダム容認」というムードで意見集約が図られる形となりました。しかしその意見集約は、各委員に挙手や拍手による承認を求めはっきりした形で議決するのではなく、高野委員長が「穴あきダムによる治水対策が適当という小委員会の意見を了承したいと思いますが、よろしゅうございますね」という言葉で念押ししただけ。さらに知事に提出する意見書(提言)について「体裁や文言は私に一任していただきたい」と述べ、後で本人に確認したところでも「意見書は私と事務局で作成するつもりで、特に各委員に後日確認を求めるつもりはない」ということでした。ダムではなく他の方法でも最上小国川の治水は可能だとして、ずっと以前からダム反対の声が上がっている中で、いわば治水対策の決定権を委ねられた形の同委員会がこのようないいかげんな形で意見集約を図ることには、大きな疑問と憤りを感じざる得ません。仮にも本体工事で70億円、河川改修で130億円と発表しているダム建設の公共工事を進めるのに、こんないい加減な手続きでいいのかと怒りを覚えるばかりです。同委員会を取材して、疑問や憤りを感じることは他にもたくさんありました。その辺は、後日録音記録などを精査して、またご紹介したいと思っています。
 なお、ダム建設に反対している「最上小国川の“真の治水”を考える会」では、10月28日に新庄市でシンポジウムを開催する予定とのことです。同シンポジウムには治水対策や河川工学の専門家である京都大学名誉教授・今本博建氏や新潟大学工学部教授の大熊孝氏をはじめ、民主党代表代行の菅直人も参加し、ダムや公共工事について討論をする予定です。最上小国川の治水対策として、本当にダム以外に方法はないのか。このシンポジウムはその答えを出すに大きな力になるはずです。ダム賛成の人も反対の人も、またこれまであまり感心のなかった人でもいいですから、ぜひ参加してください。詳細は別ページで案内しています。

※1 欠席した委員は最上川リバーツーリズムネットワーク事務局長・青木孝弘氏、水と暮らしを考える下水道の会会長で山形短期大学総合文化学科教授・阿部康子氏、東北大学大学院助教授・風間聡氏の3氏。


メトロポリタンホテル山形で開かれた最上川水系流域委員会の様子

最上川水系流域委員会の委員長を務める東
北芸術工科大学教授 高野公男氏

同委員会の副委員長を務める米沢中央高等学校教頭佐藤
五郎氏

同委員会の委員を務める山形大
学理事・副学長 柴田洋雄氏

同委員会の委員を務める山形県土地改良事業団体連合会会長
池田勝良氏

同委員会の委員を務める山形大学農
学部教授 大久保博氏

同委員会の委員を務める日本野
鳥の会山形県支部 副支部長 大
沢八州男氏

同委員会の委員を務める山形の野生動物を考える会代表 東英生氏

同委員会の委員を務める山形県内水面漁業協同組合連合会会
長 本間義一郎氏

同委員会の委員を務める(財)山形
県企業振興公社プロジェクトマネ
ージャー 水戸部知巳氏

同委員会の委員を務めるをんな川会議代表幹事水戸部浩子氏

委員の質問・疑問などに答える山形県土木部・池田隆部長。同じテーブルには東北整備局の渥美雅裕河川調査官や山形河川国道
事務所・吉田敏晴所長など、国土交通省に連なる関係者が委員たちを圧するようにズラリと並んだ。

●『別冊つり人 渓流2006夏』に最上小国川の治水問題の記事---2006.7/13掲載
 いま発売になっている『別冊つり人 渓流2006夏』に、最上小国川の治水問題に関する記事が6ページに渡って掲載されています。最上小国川の治水対策に関わる様々な動きについては当サイトでもたびたびレポートしてきましたが、同誌の記事は、行政が進めようとしているダムによる治水対策の非合理性や、計画を進めるために開いてきた各種会合(最上小国川ダムを考える懇談会、最上川水系流域委員会・最上地区小委員会など)地区小委員会など)の不公正性などについて指摘したもので、ダム計画の問題点がわかりやすくまとめられています。釣り人の皆様には、ぜひ購入いただいて読んで下さるようお願いします。
  このサイトを通じてよく申し上げていることですが、私たち釣り人は、川や海、沼などで魚を釣って楽しませてもらっているわけですが、ただ釣りを楽しむだけでなく、時にはこういうダム問題などが身近で起こったときは、ためらわずに行動することも必要ではないでしょうか。少なくとも関心を持って事の経緯を把握しておくことは必要と思います。改めて言うまでもなく、最上小国川は山形県が他に誇るべき清流であり、かけがえのない財産です。その清流は、流域にダムがないからこそ保たれていると言っても過言ではありません。そういう最上小国川の価値、希少性を改めて認識したいものです。
  川の治水ももちろん大切です。でも最上小国川の治水は、ダムでなくても可能です。しかし計画を進める行政側は、ダムが最も適当だとして、ダム以外の治水方法について十分な論議に応じようとしていません。ダムに反対している人たちは、そういう行政側の姿勢が何よりも不満であり、不信感を持っているわけです。「安易にダム建設に走ることなく、他の対策で最上小国川の治水はできないのかを十分に検討し、話し合うこと」。現時点でそれが最も大事なことだと当サイトは考えます。

「Save The Mogami-Ogunigawa」 −−−最上小国川を救おう! 釣り人みんなが声に出し、行動して、最上小国川の美しい流れを守りましょう。 

●小国川で2006シマノ・ジャパンカップ鮎釣り選手権---2006.7/11掲載
去る7月9日、舟形町を流れる小国川でシマノ主催の「2006シマノ・ジャパンカップ鮎釣り選手権大会・東北大会」が開催されました。大会には東北一円と北関東などから155名が参加。7時から10時までの1回戦と、11時から13時までの2回戦で釣果を競いあいました。その結果、尾花沢市の佐々木浩選手が見事に優勝。準優勝にも地元舟形町の長澤英明選手が入り、地元の選手たちが気を吐きました。今大会で上位8位までに入った選手の皆さんにはセミファイナル出場権が与えられ、7月29日に栃木県・那珂川で開催される東日本大会に参加することになります。
  また今回の大会では、大会本部テントの一部を借りて、「最上小国川の真の治水を考える会」の草島進一代表が、最上小国川に山形県が計画中の穴あきダムについて異議をとなえ、「ダムによらない治水対策を考えよう」と呼びかけました。また署名活動やステッカーによる意思表示に協力を要請し、7月24日には新庄市の「ゆめりあ」で緊急フォーラムを開催する予定にもなっています。皆様も是非ご協力下さい。


会場では「最上小国川の真の治水を考える会」の草
島進一代表が、ダムによらない小国川の治水を訴
えて署名活動を展開しました。また「NO DAM O
GUNIGAWA」の文字とアユがデザインされたステ
ッカーも用意し、みんなで「ダムによらない治水対策
を考えていくためアピールしていこう」と呼びかけて
いました。

7月24日には、「最上小国川の治水を考える会」が緊急フォーラムを開催します。釣り人の皆さん、普段
お世話になっている川の将来について、一緒に考えてみませんか。既に山形県は穴あきダム建設に向
けて着々とプランを進行しており、ダムをつくらせないためには何か行動を起こさないといけない段階に
来ているのです。

●最上小国川の治水に関する公聴会が開かれる---2006.6/25掲載
 
最上小国川の治水対策を検討している山形県土木部(池田土木部長)は6月24日、県の計画案を地域住民に示し意見を聞くための公聴会(最上県域河川整備計画(変更)公聴会)を瀬見小学校体育館で開催しました。
資料


この日の一般参加者は主催者発表で101名。公聴会の案
内は最上町と舟形町の全戸に案内パンフレットを配布した
というが、戸数は両町あわせて約4590戸あるので、出席率
は約2.2%になる計算だ。

池田土木部長をはじめとした県土木部および最上総合支
庁建設部の幹部の皆さんたち。

質問・意見の時間に、かつての水害で怖い思いをしたことを
延べながら、ダム建設への賛成意見を語る参加者。

「小国川の治水はダムでなくても可能だ。まずダム建設あり
きの議論ではなく、小国川の治水対策として議論すべき」
と意見を述べた小国川漁協の沼沢組合長(舟形町民とし
て一般参加)。

●「第5回 最上川水系流域委員会最上地区小委員会」開催される---2006.4/27掲載
 
最上小国川の治水対策について話し合うことをメインテーマとして、山形県土木部河川砂防課(事務局:最上総合支庁河川砂防課)が設置した「最上川水系流域委員会最上地区小委員会」(座長:大久保博山形大学農学部教授)が4月25日(火)、新庄市の最上広域センター「ゆめりあ」2階会議室で開催されました。この委員会は、最上小国川の治水対策としてダム建設か否かで意見が分かれ結論が出ないでいることについて、“地域住民の意見を聞く場”として行政側が設置したもの。最上小国川の治水対策を住民が参加して話し合う場としては、2001年7月から2002年4月にかけて「最上小国川ダムを考える懇談会」という話し合いの場が、今回の小委員会と同じく行政の主導により5回に渡って開催されています。しかしその懇談会では最上小国川の治水対策としてどんな手法が適当か意見集約ができなかったこともあり、今回改めて小委員会を設置して最上小国川の治水対策について話し合うことになったようです。
  今回話し合われたことについて詳細はまた後日掲載したいと思いますが、まずは使用された資料(資料1資料2 PDFファイルにして掲載します)を掲載するとともに、これまでの経緯をご紹介する意味で事務局(山形県土木課河川砂防課)が公表した資料ではありますが、そのサイトをご紹介しておきたいと思います。
  なお、掲載した資料1の<次第>をご覧いただくとわかりますが、プログラムは事務局の用意したその次第に沿って粛々とすすめられ、一般傍聴者の質問や意見も受け付けられることもなく、ほぼ定刻通りに終了となりました。


委員会の話し合いの様子。手前の椅子席が傍聴席で、その前のテーブル席が事務局。
その前に委員がロの字の形に座って委員会が行われていました。

●最上小国川の治水対策を協議する委員会、次は4/25。傍聴OK---2006.4/20掲載
 
最上小国川の治水を協議するため、「最上川水系流域委員会の最上地区小委員会」(座長:大久保博山形大学農学部教授、事務局:最上総合支庁河川砂防課)という検討の場が設けられ、これまで4回の会合が開かれてきました。その委員会の5回目となる会合が、4月25日に新庄市のゆめりあ(新庄駅構内)会議室で13:30〜16:00の予定で開催されます。この会合は一般にも公開するということで、傍聴も可能です。


1/30に新庄市「ゆめりあ」で最上小国川の治水を考える会合開催---2006.1/28掲載
 新聞報道などによると、最上小国川の治水対策についての話し合いが新庄市の「ゆめりあ」で、1月30日午後1時30分から開かれるということです。この会合は主に有識者が治水対策を話し合う模様ですが、一般の傍聴もできるとのこと。問い合わせは県土木部河川砂防課 電話023-630-2686


●12/12に開かれた最上川と小国川の治水に関するシンポジウムについて---2004.12/14掲載
  12/6に既報のように、12/12(日)、最上町の赤倉温泉地内「お湯とぴあ もがみ」において、「最上川と小国川の真の治水を考える会」主催のシンポジウム「近自然工法による治水を考える 〜最上川と小国川の“真の治水”を求めて〜」が開催されました。開会に先立って同会の事務局長を務める草島進一氏(鶴岡市議)が挨拶に立ち、会の設立主旨などを説明。この中で草島氏は、ダム計画の是非に議論が集中している小国川の治水対策を問題視し、「本当の意味での治水を考えていく必要がある」として同会の発足に至った経緯を語りました。
 この後、大熊孝氏(新潟大学教授(河川工学))、福留脩文氏(西日本科学技術研究所 所長)、山形県土木部、天野礼子氏(アウトドアライターの各氏が、それぞれ専門分野の視点から小国川の治水対策や今後の議論のあり方などについて意見を述べました。
 なお今回のシンポジウムには、地元を中心に約80名の方が参加。地元以外からも釣りや河川環境に関心のある方の参加が見られ、活発な質疑応答がありました。〜以上、概要報告。
各氏の演目は12/6掲載記事を参照(法政大学教授・五十嵐敬喜氏は急遽欠席)。


各氏スライドを使って具体例を示しながらの講演が行われ
た(写真は大熊孝氏の講演)

山形県土木部からは河川砂防課・アライ主幹が出席し挨
拶。小国川の治水対策及びダム計画については最上総
合支庁の担当者(アベ氏)が説明した
●今回のシンポジウムで印象に残った点
◆大熊孝氏 新潟大学教授(河川工学)
*「ダムは山から海へと続く物質循環を遮断するもので、川にとっては基本的に敵対するものだ。」
*「今年の夏に起きた新潟水害では、堤防が決壊して死者が出た五十嵐川も刈谷田川も上流にダムがあった。このダムはある程度の治水機能を発揮したことは確かだが、それでも死者が出たということは、ダムによる治水には限界があるということだ。そもそもダムによる治水は、ダムより上流に降った雨だけにしか効果がなく、ダム下流に雨が降った場合には何の効果もない。だからダムができても下流の人は洪水になっても安心することはできない。またダムについては、その計画規模を超える雨量や増水があった場合、行政は何の責任もとってくれない」
*「ダムには水だけでなくは土砂もたまる。だからいずれはダムは土砂でいっぱいになる」

◆福留脩文氏(西日本科学技術研究所 所長)
*「近代工学で河川の護岸などをする場合、コンクリートんどの堅いものですぐ護岸を固めようとするが、昔行われていた伝統工法では、水の流れを巧みにコントロールして、その流れで洪水を防いだり、堤防を守ったりする考え方がある。この方法は現代でももちろん有効で、自然を破壊せず、川の生き物も守ってくれる」
*「川は本来まっすぐには流れないもの。水が流れる時には、自然に蛇行しようとする性質がある。それを人間の都合で無理にまっすぐにしようとするから堤防が削られたりというムリが出る」
*「最上川を見た印象は非常に自然度が高く、四国の四万十川をしのぐかも知れない。機会があれば山形県の河川土木の人と意見交換したい」

◆山形県土木部の担当者
*「現在、最上小国川に計画しているダムは通称「穴あきダム」といっているもので、堤体の高さ35m、堤体の長さ(幅)140mになる。この堤体の中心部下方に2.3m×2.3m」の穴を空ける。この穴からしか水が出ないので、洪水時はダムに水がたまって治水機能を発揮する。通常時は穴から水が流れるので、河川に影響はない」

◆天野礼子氏(アウトドアライター)
*「ヨーロッパでもアメリカでも、ダムによる治水は問題があるとわかってきて、行政もはっきりとそれを認めて“脱ダム”が世界の流れになっている。実際にアメリカではダムの撤去を始めている。ダムは最後の手段であって、害や毒もあることを知らないといけない」
*「小国川の治水対策が、ダムかダムじゃないかという極端な議論になるのは良くない。もっと総合治水という観点から、大きな視点で治水対策を考えていくべきだ」
*「静岡県の大井川は、流域に34もダムがある。ダムが数多くできて、下流の河川は砂だらけになって“川原砂漠”と呼ばれるようになった。また河床がだんだん高くなって、少しの出水でもすぐに水が堤防の外にあふれるようになった。さらに、大井川河口の砂丘は、、昔に比べて300mも砂浜が陸側に後退してしまった。これはダムによって土砂が止められ、砂浜に砂が供給されるのが止まってしまった結果だ。これは全国どこでも同じ事が起きている。海での漁獲量減少にも少なからず影響している」

◆一般参加者
*「私は昔建設省にいたが、東北で一番ダム顔笈のは岩手県の北上川。でも全然治水ができていなくて、いまでも一ノ関で遊水池の工事なんかをやっている」
*「穴あきダムの穴なんかは、水が出れば土砂ですぐに埋まってしまう。穴が埋まれば水がたまり、今度は堤体の上から水が流れ出してくる。するとダムは水のジャンプ台と化してしまう。実際に宮城県で同じ現象による被害が出たことがあって、仙山線で事故になったことがある」

◆一般参加者

*「漁業組合はダムに反対と言っているが、組合員1400人全員がダム反対と言っているわけじゃない。」

●小国川の環境を憂う有志が「最上川と小国川の真の治水を考える会」を設立。
  12/12にシンポジウム「最上川と小国川の“真の治水”を求めて」を開催します。
---2004.12/6掲載
 舟形町と最上町を流れる最上小国川では、川の治水対策として最上町や山形県がダム建設を計画し、小国川漁業協同組合などが「治水はダムでなくても可能」としてダム計画に反対しています。こうした中でこの度、最上小国川や最上川の治水について考えようという有志が「最上川と小国川の真の治水を考える会」を発足し、12月12日にシンポジウムを開催することになりました。以下にシンポジウムの開催要項や、同会の設立主旨などをご紹介します。
 なお、今回のシンポジウムで注目すべきは、山形県土木部がシンポジウムに参加して「小国川ダムはなぜ必要か」と題した講演を予定している点です。これは同会が単にダム反対を唱えるのではなく、ダム賛成(推進)の意見も聞きながら、文字どおり“真の治水”について考えようとする姿勢と思われ、評価すべき事かと考えます。釣りファンの皆様もぜひ参加して、それぞれの意見を聞いてみてはいかがでしょうか。
●シンポジウム開催要項
 ◆名 称 : シンポジウム「最上川と小国川の“真の治水”を求めて」
  ◆日 時 : 2004年12月12日(日) PM1:00〜PM4:00(受付11:30〜)
  ◆場 所 : 最上町赤倉温泉「お湯トピア」
・・・・・赤倉温泉から赤倉スキー場に向かって橋を渡りすぐ左折。高台にあり。

  ◆プログラム
   *開会挨拶と流域責任者紹介・・・・・・・草島進一(最上川と小国川の治水を考える会 事務局長(鶴岡市議))
   *「今夏の水害が教えるもの」・・・・・・・・大熊 孝(新潟大学教授(河川工学))
   *「近自然工法で治水を考える」・・・・・・福留脩文(西日本科学技術研究所 所長)
   *「小国川ダムはなぜ必要か」・・・・・・・山形県土木部
   *「欧米の河川思想に学ぶ」・・・・・・・・・天野礼子(アウトドアライター)
   *来賓コメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・五十嵐敬喜(法政大学教授)
「最上川と小国川の真の治水を考える会」設立主旨、他
 
設立主旨
 本年、日本列島にはたくさんの台風が来襲し、<水害>の爪痕を残し、犠牲者も出ました。臨検新潟では二つの河川で堤防が決壊し、大きな水害となりました。私たちも大河・最上川の流域に生きるものとして、いつ同じような水害に遭うやも知れません。
 2002年にはドイツを中心としてヨーロッパでも今夏の日本の洪水とタイプが似た気候変動による豪雨によって大水害が発生し、ドイツだけでも100人を超える死者が出ています。ドイツ及びEUはこの後、水害の原因追及のための委員会を設定しました。そしてドイツの関係5省庁による「河川会議」は次のようなことを発表しています。
「川に沿ってあまりにも多くの構造物が造られたので、水害を起こさずに洪水を受け入れる余地がなくなってしまっていた。これまで造られてきた“洪水を防ぐ”というすべての構造物(ダム等)が、そこから下流域における洪水の危険性を高めてきた。人の住んでいない地域に洪水を受け入れる遊水池を設け、川に戻すために国家は努力しなければならない」
 アメリカでも1983年のミシシッピー川、ミズーリー川の水害の後、「治水」を担当する陸軍工兵隊が「行政が川をまっすぐにし、強い堤防を造って人々をその周辺に住まわせてきたことが水害を大きくした」と発表し、国民に謝罪しました。
 世界中で堤防やダムだけに頼る<近代河川工法>が反省され、「総合治水」の知恵が構築されつつあるのです。欧米の官僚たちは「日本は江戸時代までは最も優れた治水の知恵を持っていたのに・・・」と、私たち日本人こそ<川の民>の知恵を早く取り戻すべきという助言をしています。
 そこで最上川と小国川流域に住む私たちは、県が推進する「ダム」にこだわることなく、“治水”を考えるため「最上川と小国川の“真の治水”を考える」ために会を結成する事にいたしました。小国川は、『日本の名河川を歩く』(天野礼子著・講談社+α新書)において日本で第2位の天然河川と評価されています。松尾芭蕉によって <五月雨を集めて早し最上川> と詠まれたのは、この川が流域の雪解け水を春遅くまで大量に出す大河川であることを表現していますが、それはこの川が <恵みの多い川> であったことを教えてくれています。その恵みを受けるために、流域の人々は昔から人工的な護岸を設けず、田に直接洪水が入り込むような里づくりを心掛けてきました。それが最上川と小国川に今も天然鮎が遡り、サクラマスが遡る! 天然要素を多く持つ川である秘密です。
 また“洪水”は単に迷惑なものでなく、美味しい米を作ってくれる神様の恵みでした。家々は川から少し離れたところに建てられ、“洪水”を“水害”にしない知恵が長年培われてきました。いまも最上川舟下りに乗船してみれば、両岸の手つかずの素晴らしい自然が、いにしえの人々の知恵を教えてくれます。そんな最上川と小国川を美しいまま子孫に託すためにも、流域の皆さん、全国の皆さんにもご賛同いただき、「川の民」日本人の“真の治水”の知恵を取り戻したいと思います。
◆中・長期的目標
 *大河・最上川と日本第2位の天然清流・小国川の“真の治水”を考える。
 *治水のあり方として、ヨーロッパで採用されている「総合治水」を学び、赤倉温泉の再開発を考える
 *最上川全域の治水のあり方も学習する。
◆会として
 *「貴方の愛する人に最上川と小国川の美しさを伝えてください」を当会の共通メッセージとして、それを伝えることを会員の唯一の義務とする。
 *入会金は不用とするが、会員にはカンパをする権利がある。また、行動する為のカンパをインターネットなどで募る。
 *松尾芭蕉や源義経が歩いた流域とそれにまつわる小路を勉強、紹介し、最上川、小国川の自然の素晴らしさをアピールする。
 *国内外の河川工学者、“超自然工法”による治水工事を施工できる研究者、水害体験者等を招いて学習し、それを日本中に伝える。
 *音楽や芸術で最上川と小国川の美しさを表現する催しを開催し、多くの人々の理解を求める。
・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・
※なお、同会では入会者を受け付けています。 

●10/18、「最上小国川(赤倉)治水対策に関する懇談会」が開催---2004.10/19掲載(一部加筆・・・最終10/28)
 10月18日(月)、「最上小国川(赤倉)治水対策に関する懇談会」が、最上町赤倉温泉地内の「お湯とぴあ もがみ」で開催されました。この懇談会には最上小国川の治水対策としてダム建設案を掲げる行政(最上町・県)と、治水はダムではなく他の対策でも可能とする小国川漁業協同組合、そして治水が必要とされる赤倉温泉地区に住む住民の3者が参加し、活発な意見交換が行われました。
 夕方7時から開催された懇談会では、まず最上町の柴崎憲一建設課長による開会の挨拶。その後、高橋重美最上町町長が町代表者として挨拶に立ち、「最上小国川の治水対策には平成3年から調査が始まり10数年経っており、計画は大詰めに入ってきている。そんななかで町、漁業組合、地元住民の話し合いは今まで行われなかった。今回は実りある会議にしたい」と述べました。この後、出席者紹介、座長選出(最上町助役が選出)を経て懇談会となりました。
 行政側は、これまでどおりに最上小国川の治水対策としては穴開きダムが妥当と主張。また、「本来は水を溜めるタイプの利水ダムを希望していたが、小国川漁協などのダム反対意見を採り入れて洪水時だけ水がたまる穴開きダムにした。新聞でも報道されたが県の公共事業債評価委員会でも事業継続は妥当とされた。バイパス(放水路)案、川の拡幅案などもあるがそれらは机上案であり、実効性、実行可能な案として穴開きダムを提案する」と述べました。それに対してダム案に反対する小国川漁協は、従来どおり穴開きダムを含むダム案への反対理由を主張しながら、それに変わる対策として川の拡幅案を提案。「赤倉温泉地内の川を掘ると源泉に影響するというが、拡幅なら可能。拡幅に伴って家屋の移転が必要になるが、移転に協力するという人も少なくない。合わせて温泉街の街並み整備も図れるのではないか」と述べました。しかしこの後の地区住民を交えた議論では、それぞれの案について冷静に検討するような発展的議論にはならず、平行線のままに終了となりました(9時終了)。
 なお、懇談会の席上で行政側の一人から「地区住民の話を聞けるのはこれが最初で最後」といった内容の発言がありましたが、会の終了後に当方が高橋重美最上町町長に確認したところ、「これで最後というわけではない。今後も続く」という解答がありました。

あくまでダム建設案を主張した行政側出席者
(写真提供:WaterWatchNetwork 草島進一)--2枚とも

ダムではなく河川改修(拡幅)で治水は可能と主張した小国
川漁協

<印象に残ったコメント>・・・・抜粋
*
高橋重美最上町町長
 「これまでダム案、川の拡幅案、バイパス(放水路)案が提示されてきた。拡幅案については赤倉地域の右岸側の住民が移転してもいいと言っているという話も聞くが、私の知る範囲では全ての住民がそう言っているわけではない。また拡幅となれば右岸だけでなく左岸側も含めて拡幅しなければならない。そうなれば、赤倉温泉がなくなってもいいというような提案は、机上プランは成り立つが現実的には成り立たない。同時にバイパス案についても、農地をバイパスしていくということは土地の所有者もいるので。同時にそういう事業を展開するとすれば県の河川整備の予算でやっていかなければならないわけだが、県の河川整備の予算は年間60数億円くらいしかない。その中で最上町にだけ優先してとはいかない。」
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*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
 「県の公共事業債評価委員会で事業継続となったというお話があったが、私は実際にその委員会を傍聴していた。継続になったのは調査事業の継続ということであり、ダム計画が継続ということではない。」
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*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
 「組合ではこれまで何度か高橋県知事と話し合いをしているが、今年3月22日にお会いした時に私どもは、ダムに代わる案として『川の拡幅案』を知事に提案している。その時に「赤倉温泉地内の川幅を広げ、一部の家屋に移転していただければ洪水被害は防げる。移転に協力するという人もいる。その移転、川の拡幅に合わせて街並みも整備して景観づくりをして温泉街の魅力アップも図れると思う」と知事に提案したのだが、それに対して知事は「それはいい案だ」と言われて同席していた土木部長に検討するよう指示していた。今日は県の河川砂防課課長補佐も同席されているが、その話は聞いていないのか。河川の拡幅について技術的にどうかということについても、私どもは独自にいろいろ専門家の方に聞いてみた。結論は「難しいことではない」ということだった。だからその案について地元の人たちと話をしたいんです。
*山形県河川砂防課 課長補佐・斉藤隆 
 「私は直接そういう指示は受けておりません。ただし河川改修案については懇談会でも出していますし、地元説明会でも出していますので、それで県の案というふうに私は理解してもらっているのかなぁと理解しています」
*地元住民
 「河川改修
(川の拡幅)案を知事が検討してみろと指示しているにもかかわらず、あなたは話を聞いてませんということですか。これ話にならんわけよ」
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*赤倉温泉町内会会長・早坂義範
 「今まで何回か懇談会ありましたが、今日は地元赤倉の住民と話するのは初めてだと思います。今日が最初で最後だと私は考えております」
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*地元住民
 「赤倉の住民は最初からダムつくってくれなんて要望は出してない。水害、家の前まで水があふれてくる状況をなくしてくれと要望してきた。そうしたら、その問題を解決するにはダムがいいと。誰がダムを提案してきたんですか。行政ですよ。だから原点に帰って考えるべきだと思う。ダムをつくらなくても水害から完全に守られる方法が他にあったら、これは追求すべき。そして精一杯やってダムでなければやっぱりダメだとなった時、私は初めてダムでやるべきだと思う。だからダムをつくらなくても水害を防ぐ方法を、もういっぺん追求してみましょうや。まだ結論出すには早いと思います」
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*地元住民
 「さっき沼沢組合長は、川の拡幅となったら右岸側で協力する人がいるという話だったが、誰が賛成しているのか。また調査はどういう方法でやったのか」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
 「誰が賛成しているとかは申し上げたくありません」
*赤倉温泉町内会会長・早坂義範
 「それじゃ前に進まない」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
 「いまの状況で氏名は出せない。前に県知事に陳情に行って川の拡幅と街並み整備の話をした時に、知事は家屋などが移転となれば補償は出しますと言ったわけです。また前に赤倉では800万円だかの金をかけてやってますが、そういうのを含めて町や地域で計画を持って出してくるなら相談に応じると言っているです」
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小国川漁協組合員で地元住民の方の話(発言)
「実は平成13年の3月頃だったかな、知事に陳情に行ったわけです。それでいろいろ陳情してたわけなんだけども、その場で組合長が○○さんは赤倉温泉から来たんですと私を紹介したわけです。そしたら知事が私に「あなたはどういう考えを持っているんですか」って聞かれたわけです。オレは「平成何年だかに赤倉温泉の景観づくりについて800万円もらって、3年ぐらいかけて芸工大の教授などにも協力してもらって、景観づくりについて調査みたいなのをやった経緯もあったんで、そういう景観づくりみたいなのをしないと、赤倉温泉も
(将来の発展が見込めない)と思うので、ダムよりも景観づくりをしながら河川整備をしてもらいたい」と言ったわけです。そしたら知事は「それはいい考えだ。そういうことならどういうふうにするのか(地域の人などに意見を)聞いてもう1回来なさい」と言われたわけです。それでオレは帰ってから赤倉温泉の人に何軒か聞いて回ったら、移転してもいいという人が何人かいて。それで、今度は組合長に「今度はいつ知事に会いに行くのや」と聞いたんです。前に知事に陳情に行ったときに「案を持って来い」っていわれたから。それで、いつ知事に会いに行くのやって組合長に聞いたら、3年置かれたんです。「県知事には会わせらんね」。それで平成16年の3月22日だな、行って来たんだ。そしたら県知事が組合長に穴開きダムっていうの見せたんだな。「この案でどうだ」って。オレ(組合長の)脇にいて見ったから。それで組合長どいろいろしゃべってたんだけど、オレには(前の陳情の時に県知事が)「説得してこい」とか言っておいておかしなと。それで県知事に言ったんだ。「穴開きダムもいいけども、(前の陳情の時に県知事が)説得してこいといったから、それもちゃんとシュミレーションしてください」と。そしたら県知事は隣にいた土木部長に、「○○さんの言ってる案もちゃんとシュミレーションしなさい」と言ったんだ。部長は「はい」と言った。オレは、部長がハイと言ったから新庄のあれ(最上総合支庁)にも(指示や連絡が)来ているものだと思ってた。でもそういうことは全然ないようで、おかしいなと。」
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*地元住民
「私は放水路案が一番じゃないかなぁと思ってます。地形もちょうどいいし。私は十分間に合うんじゃないかと思うんです」
*赤倉温泉町内会会長・早坂義範
「○○さん、放水路案はダメなったんよ」
*最上町の幹部
「何十年もかかるわけだ」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
「なんで放水路案はダメなの? 案としてはダムと放水路と河川改修の3つあるわけでしょ。ただ組合としては皆さんが協力してくれて河川拡幅ができるなら第一は河川拡幅案ですと。そしてダムをつくると私たちは被害を受けると言っているわけです。」
*地元住民
「組合長さんに聞きたい。
(ダムのある)寒河江川ではチェリーランドとかの近くで釣り大会とかやってますけど、(被害や影響は)どうなんですか?」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
「それは私は言いたくない。私が言えばよその組合の批判をすることになる」
*参加者
「最悪です。はっきり言って釣り客いないです。みんな寒河江川からこっちの小国川に釣りに来ています」
*地元住民
「だって新聞に載ってるじゃないか」
*参加者
「新聞に出ていても、濁っているから釣りにならないんです」
*小国川漁業協同組合・沼沢組合長
「小国川には年間2〜3万人のアユ釣り客が来ています。瀬見温泉には釣りのために泊まる客が2500〜3000人いると統計で出ています。また釣り大会は年間7つの大会があって、ダイワやシマノ、がまかつという大きなメーカーもここで釣り大会をやっています。3大メーカーが同じ川で大会をするという例は全国でもありません。それは小国川にダムがなくて、水がきれいで、アユもいい、形も味もいい。そういう・・・」(発言遮られる)
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*地元住民
「このままでいくとね、どうなるかを考えた方がいいと思う。このように議論が対立して同意が得られないという状況で、知事はどうするだろうかということ。穴開きダムだろうとなんだろうと、事業にGOサインは出せない。出したら大変なことになる。でも、このままで10年20年と時間がかかれば、困るのはここに住んでいる住民です。だから話をまとめなきゃいかん。そのことを声を大にして訴えたい。」

※赤色の部分は当方の注釈。
<主な参加者>−−−順不同、敬称略
最上町建設課課長・柴崎憲一                最上町町長・高橋重美
山形県河川砂防課 課長補佐・斉藤隆           赤倉温泉町内会会長・早坂義範
小国川漁業協同組合 組合長・沼沢勝善
<取材メモ>
*今回の懇談会は、行政側、小国川漁業協同組合の双方から各10名ほどと、地域住民25名ほどが参加して行われました。しかし、行政側と組合の各10名はともかくとして、地域住民25名というのは少ないと思い、今回の懇談会について参加案内を出した範囲と案内方法について確認したところ、解答してくれた赤倉温泉町内会の幹部は、「赤倉温泉地区の185戸に書面を配布した」ということでした。しかし、その後赤倉温泉地内の2〜3人に聞いたところ、「案内は見た記憶がない」とのこと。取材した印象では、地域住民に対してあまりちゃんとした案内はしていない感じがありました。そもそも、仮に地域住民185戸(人)が今回の懇談会に出席したとしても、会場自体が小さく、今回でも約8割方満杯という感じでしたので、案内を出したという185戸の出席があれば大変な混乱になっていたと思われます。このへん、誤解を招かないために、またより意味のある会にするためにも、誠意ある会議の開催を望みたいと思います。

●10/16日〜17日、「第25回東北自然保護の集い」開催。最上小国川ダムについても議論---2004.10/18掲載
 10月16日(土)と17日(日)の2日に渡り、東北自然保護団体連絡会議が主催する「第25回東北自然保護の集い」が、最上町赤倉温泉地内の「お湯とぴあ もがみ」で開催されました。今回は「ダム開発と公共事業を考える」を大きなテーマに、東北各地で活動する25あまりの自然保護団体や個人が参加。山形県内では「葉山の自然を守る会」「小国の自然を守る会」「鳥海山の自然を守る会」「出羽三山の自然を守る会」「神室山系の自然を守る会」の他、最上小国川ダムの建設に反対している「小国川漁業協同組合」も参加し、意見交換を行いました。
 16日はまず、開会後にフリーライターの天野礼子氏が「国内外のダム開発とその課題 〜森から川、川から海へのつらなりをとりもどすために〜」と題して基調講演。この中で天野氏は、国内外のダホム事情を紹介しながら、「これから地球温暖化が進めば水害や土砂崩れなどはもっと増える。それを防ぐには川だけでなく森のこと、山のことを考える事が大事。ダムが良くないという考え方はある程度知られるようになったが、森と川、そして海は一体のものだ。これからは山は山、川は川というのではなく、山の人も川の人も一緒になって自然保護活動や運動をすべきだ」と語りました。
 基調後援の後は、3つの分科会に分かれ、各団体がそれぞれの活動内容や自然破壊の実態などを報告。また各事例について積極的な意見交換が行われました。なお、17日は取材しておりませんが、16日と同様に分科会に分かれて意見交換などを行った後、全体会と大会アピール採択を行った模様です。
<参加団体一覧>

白神山地のブナ原生林を守る会
秋田県自然保護団体連合
東北森林管理局
和賀川水系の自然を考える会
梁川のダムと自然を考える市民のネットワーク
めぐみ豊かな気仙川と広田湾を守る地域住民の会
花巻のブナ原生林を守る市民の会
白神山地を守る会
青森県自然保護協会
早池峰の自然を考える会
栗駒の自然を守る会
仙台のブナ林と水の自然を守る会
船形山のブナ林を守る会
野生生物保全論研究会
(財)日本自然保護協会
高山の原生林を守る会
葉山の自然を守る会
小国の自然を守る会
鳥海山の自然を守る会
出羽三山の自然を守る会
ウォーターワッチネットワーク
小国川漁業協同組合
神室山系の自然を守る会

大勢の参加者で会場は満員となった

基調講演を行う天野礼子氏

最上小国川ダムの経緯と反対理由などを発表する小国川
漁業協同組合の沼沢組合長

分科会での意見交換風景

●8/27、「第25回東北自然保護の集い 山形大会」開催。最上小国川ダムの是非を検討---2004.8/30掲載 
去る8月27日(金)、ウォーターワッチネットワークが主催する「第25回東北自然保護の集い 山形大会プレフォ−ラム」が、最上町赤倉温泉地内の「お湯とぴあ もがみ」で開催されました。今回のプレフォーラムは「新潟豪雨災害から見る最上小国川の流域環境」と題したもので、新潟大学自然科学系・工学部教授 大熊孝氏や、アウトドアライターで洪水被害の公共事業をチェックするNGOの会代表を努める天野礼子氏、法政大学法学部教授 五十嵐敬喜氏をはじめ、最上小国川ダムの問題や自然保護に関心のある一般の方30名ほどが参加。いま最上小国川の上流で山形県が計画している最上小国川ダムについて、意見交換や流域視察が行われました。
 当日はまず、午前10時過ぎからダム建設予定地と、水害の危険が高いという理由でダム計画の根拠となっている赤倉温泉などを視察。ダム計画を担当する最上総合支庁河川砂防課の担当者から説明を受けながら、大熊教授が中心となって水害の可能性や小国川の流下能力、ダムの必要性などについて検討がなされました。
 午後3時からは「お湯とぴあ もがみ」に会場を移し、新潟水害の増水氾濫過程・堤体決壊原因を調査する研究委員会のメンバーでもある大熊教授が講演。最上小国川ダムの必要性について大熊教授は「ダムは劇薬のようなもので、副作用がある。できれば建設しない方がいい。今日は小国川をダム予定地から瀬見温泉まで実際に視察したが、見て回った限りでは、小国川は大雨で氾濫しても大被害はないと考えられる。そもそも水害にもいろいろなレベルがあり、どの程度の水害までなら我慢できるのかを明確にすべき。ダム問題についてはこれまで県主導の懇談会が開かれたというが、もっと地元で話し合うべき。特にダム建設の大きな根拠になっている赤倉温泉の人たちは、全員が集まって徹底的に話し合うべきだ」と述べました。
 続いてアウトドアライターの天野礼子氏が、ダム建設による弊害や世界の治水対策などについて講演。この中で天野氏は「そもそも勾配の緩やかな欧米で考え出された治水対策であるダムを、勾配が急な日本の河川で導入することに間違いがある。河川勾配が急な日本では、ダムを造ってもすぐに土砂やヘドロがたまる。その対策のために近年は、黒部川の「出し平ダム」など土砂を排出する排砂ゲートを備えたダムがつくられるようになったが、今度は排出した土砂やヘドロが海にまで達し、海での漁獲量が激減している。欧米ではそうした弊害に気付いて、ダム建設をやめて撤去する流れになってきている。日本ではダム建設で海に土砂が運ばれなくなったために、砂浜が減るという弊害も起こっている。これまでは川は川、海は海、山は山と個別に考えてきたが、これらは一つの流れとしてつながっているもので個別に考えるべきではない」と語りました。
 また、午後3時からの意見交換会から参加した五十嵐教授は、法律家として昨今の公共事業と自然保護に関する判例などを紹介。この中で氏は長崎県諫早湾の例を上げ、「今日の新聞に掲載されたが、諫早湾では漁業者たちの訴えが認められて国の工事に中止命令が出た。工事が90%以上進んだ時点での工事中止命令は前例のないこと。近年は裁判所も環境に対する視点が大きくなっている」と語りました。
 なお、今回の大会はタイトルにもあるとおりプレフォーラムであり、本大会に向けた事前の大会といった性格のものです。本大会は以下の要項で開催されます。一般の方も参加できますので是非ご参加ください。

水害の危険が高いとされる赤倉温泉での視察。最上総合
支庁の担当者から説明を受けながら、川の拡張などにつ
いて意見交換が行われた

小国川上流のダム建設予定地付近で、最上総合支庁の
担当者から説明を受ける大熊教授。現在はダムが環境
にどんな影響を与えるかを調べる環境影響調査を行って
いる段階だと思うが、計画内容は微妙に変わってきている
様子だった

7月の新潟水害を例に上げながら小国川の治水について
語る大熊教授

「お湯とぴあ もがみ」で公演する天野礼子氏
      「第25回東北自然保護の集い」山形大会

●テーマ:ダム開発と公共事業を考える
●日時:10月16日(土)13:00〜17日(日)11:30
●場所:最上町赤倉温泉「お湯とぴあ もがみ」---大会会場
      湯守りの宿「三之亟」----------------夕食・交流会・宿泊
●日程:受  付-------10月16日12:00〜
      開  会-------   〃  13:00〜
      基調講演-----   〃  13:15〜(天野礼子「国内外のダム開発その課題」)
      現地報告-----   〃  15:00〜
      分科会-------   〃  16:00〜17:00
      夕食・交流会--   〃  18:00〜
      分科会-------10月17日8:30〜10:30
      全体会-------   〃  10:40〜11:30
      閉  会------    〃  12:00
      現地研修会---   〃  12:30〜14:30(希望者のみ)

参加費---集いのみの参加1000円 集い&交流会への参加6000円 宿泊込みの参加15000円
●申込み---参加申込者は申込書に記入の上、下記実行委員会宛にFAXまたは郵送。
●実行委員会--〒996-0033 山形県新庄市下金沢町16-35 海藤方 「神室山系の自然を守る会」

           
FAX.0233−22−8713
           郵便振替口座 神室山系の自然を守る会 02430−9−2413

◆主催---東北自然保護団体連絡会
<取材メモ>・・・ちょっと印象に残ったヤリトリです
1.現地視察でのやりとり
  ◆大熊教授「赤倉温泉が水害に遭う危険が高いというのがダム計画の大きな根拠になっているようだが、赤
   倉温泉の治水は川幅を広げれば十分に災害対策ができる。旅館が10数軒あってその移転がネックになると
   いうが、移転補償に例えば1軒1億円かかるとしても10数億円。今日の説明ではダム本体工事に85億円、
   河川改修など付帯工事を含め120億円ということだから、大幅に安くできる」
  ◆県の担当者「移転と言っても簡単じゃない。川幅はいまの2倍にしないと水害対策にならない。そうする
   と移転件数は概算で47軒になると見込んでいる。」
  ◆一般参加者「旅館でも移転ということになれば協力すると言っているところが多い。移転しない、ダム賛
   成といっているのは少数だ」
2.◆一般参加者「懇談会では、赤倉温泉の川を掘ると温泉に影響が出るから掘れないと言っていたが、新しく
   橋を架けたり護岸工事をしている。これはどういうわけか」
  ◆県の担当者「護岸工事はしたが川はそんなに深く掘っていないから温泉には影響しない。深く掘ると温泉
   に影響を与え補償問題になるので手が付けられない」
   「赤倉温泉は毎年のように水害になる」
『山形釣り情報』の意見・提案
これまで最上小国川ダムに関するさまざまなことを取材してきて、ひとつの解決案として思い描くことがあります。ダム建設は、主に赤倉温泉の水害対策として県が最も妥当な策として提示しているわけですが、ダムはその大小に関わらず環境に大きな影響を及ぼすのは事実です。また水害対策はダムでなくても可能と思われます。話は変わりますが、赤倉温泉の入込客数は年々減少している様子で、温泉街を歩いても道は狭く、街並みもあまり魅力的とは言い難く、失礼ながらこのままでは温泉地としての魅力をだんだん失っていくのではないかと懸念します。そこで思うに、再開発のような手法で、温泉街の移転と川の拡張をセットで行ってはどうかと考えます。県は川を掘ると温泉(源泉)に影響すると言っていますが、川幅を広げるのなら問題ないのではないでしょうか。川を広げ、街並みを美しくして温泉街の魅力を再構築する。様々な補助金も活用できるはずです。それでもダムとその関連で掛かるという120億円より安く上がるのではないでしょうか。川の環境も守られます。

●高橋山形県知事が最上小国川ダム問題で、小国川漁協に「穴開きダム」を再提案---2004.3/24掲載
3月23日付け山形新聞等によると、小国川の治水対策として県が建設を検討している最上小国川ダムについて、小国川漁業協同組合の役員12人が3月22日に県庁を訪れ高橋山形県知事と意見交換を行った。この中で小国川漁協は、最も洪水の危険があるとされている赤倉温泉地内の治水対策として、河道拡幅を提案したが、高橋知事は洪水時以外は貯水しない「穴開きダム」の建設案を再度提示したという。双方の意見が異なることから、今後はお互いの案について検討するということで今回の意見交換は終了した模様だ。ちなみに高橋知事は、小国川漁協の提案した河道拡幅について「現実的に可能か検証した上で、地元と十分に話し合いながら治水対策を進めていく」と方針を示したと、山形新聞は伝えている。
最上小国川ダムについては、小国川の治水対策として山形県が平成3年から調査を開始。その調査をふまえて、治水の具体的な方策としてはダム建設が最も適当としてダム建設案を示していた。その後、地域の代表者や関係者、学識経験者などからなる「最上小国川ダムを考える懇談会」が組織され、2001年7月から2002年3月までの間に5回の会合を開いて、小国川治水対策やダム建設の是非について話し合い、ダム建設について反対意見もある中で、最終的には賛成意見の多かった「ダム建設案」を肯定する形で意見をまとめていた。この懇談会での意見は「提言」の形で高橋県山形県知事に提出されている。今回高橋知事が示した「穴開きダム」は、その「提言」の中に検討すべきダムの形態として示されてものだ。(『山形釣り情報』注釈)

●神室山系の自然を守る会の講演会で「最上小国川ダム建設」---2003.7/19掲載
去る7/13、新庄市の新庄市民プラザにおいて、神室山系の自然を守る会(海藤清志会長)が小国川漁業協同組合の沼沢勝善組合長を講師に招き、「最上小国川ダム建設の問題点」と題した講演会を開催しました(第22回自然保護講演会。第16回総会と併催)。沼沢組合長はこの講演で、最上小国川ダム計画に関連する経緯や県の調査等について紹介し、県が地元住民の意見を聞くとして開いた「最上小国川ダムを考える懇談会」で話し合われた内容や、6月18日に開かれた県の中間報告会のことにも触れながら、最上小国川ダムの建設に対してなぜ反対か、どんな問題点があるかなどを語りました。また、小国川漁業協同組合としては、組合を上げてダム建設には反対していくことを改めて明言し、多くの人の理解と応援を要請しました。(※講演内容は懇談会における質疑応答や県との話し合い、説明会の場でのやりとりを詳細に分析精査したもので、簡単にはまとめ切れません。またの機会に紹介させていただきます)

●6月18日、最上小国川ダム計画に関連する中間報告説明会、開かれる----2003.6/18掲載
 本日6月18日、最上小国川ダム計画に関連して県がこれまで行ってきた環境調査等の結果を報告する中間報告説明会(正式名「最上小国川治水対策事業に関する各種調査等の中間報告説明会」)が、最上町中央公民館で行われました。説明会では、最上総合支庁の担当者らが「水質調査結果」「流量観測結果」「流域環境調査」の3点について報告。この中で注目されたのは「流域環境調査」で、まず水生生物については平成12年から14年度の調査で、環境庁のレッドリストで絶滅危惧U類に指定されているスナヤツメやアカザが発見されたほか、レッドデータブックやまがたで絶滅危惧TB類に指定されているハナカジカが発見されたことが報告されました。また猛禽類調査においては、環境庁レッドブック及びレッドデータブックやまがたで絶滅危惧TB類に指定されているクマタカなどの繁殖を確認したことを報告。同様にハイタカ、サシバについても繁殖を確認し、オオタカ、ハチクマ、ツミの3種についても飛翔を確認しており繁殖の可能性があることを報告しました。しかしより希少性の高いイヌワシ、オオワシなどについては、飛翔は確認しているものの、「イヌワシについては営巣はしておらず、幼鳥が巣離れした時にこの付近を飛翔して確認されたのだろう。またオオワシについては繁殖地はもっと北の地域であり、渡ってきた個体が確認されたと思われる。」と当方の取材に対し回答がありました(この部分の調査結果概要は、原文を記事下に掲載します)。
 県では同様の報告会を今後も行い、調査結果については専門家や学識経験者の意見・判断を仰ぎながら、最上小国川ダム建設の是非について検討していくということです。
 なお最後に、今回の説明会は目立った告知がなかったにも関わらず、会場には約100名ほどの一般来場者があり、ダム計画に対する関心の高さが伺われました。また来賓挨拶に立った高橋町長は、「最上町は町づくりとして100万人の交流人口を目指しており、そのためには町内を流れる小国川と山々の緑はきわめて重要な観光資源だ。その点で、現在は小国川の管理は小国川漁業協同組合が行っているが、町としても河川管理に加わっていきたい」と述べました。
1) 確認された種
  *繁殖しているもしくは繁殖している可能性のある種
   クマタカ、ハイタカ、サシバ、オオタカ、ハチクマ、ツミ
  *飛翔の確認された種(繁殖はしていないと考えられる種)
   イヌワシ、オオワシ、ハヤブサ、チゴハヤブサ
2) 各種の生息状況
  *クマタカ : 繁殖している1つがいを確認した。今後、内部構造調査を実施して行動圏と内部構造を把握し
   て事業との関連を明らかにしていく。また、他つがいの生息状況の確認にも努める。
  *ハイタカ : 繁殖している1つがいを確認した。事業との関連の有無について注意していく。また、他つがい
   の生息状況の確認にも努める。
  *サシバ : 繁殖している1つがいを確認した。事業との関連の有無について注意していく。また、他つがい
   の生息状況の確認にも努める。
  *オオタカ、ハチクマ、ツミ : 飛翔が少ないながらも確認されており、繁殖しているつがいが生息している可
   能性がある。生息状況の確認に努める。
    
                                  -以上、「報道機関向け参考資料」より抜粋-

●最上小国川ダムの計画地周辺で、国の絶滅危惧種クマタカの営巣地発見。----2003.6/17掲載
6月17日付け読売新聞によると、県が最上町の小国川上流で計画している「最上小国川ダム」の予定地周辺で、国の絶滅危惧種に指定されているクマタカの営巣地が見つかったという。この報道によると、クマタカの営巣地が発見されたのは県が昨年秋から行っている周辺地域の生態系調査によるもので、詳細について県は公表していないという。なお、明日18日の13時から、最上町中央公民館で最上小国川ダムに関する中間報告会が開かれる。一般公開される。

2002.4/15掲載
最上小国川のダム計画について、当サイトの意見が山形新聞に掲載
3月28日付け山形新聞の夕刊に、当サイト管理人を務める佐藤豊の「提言」が掲載されました。この提言は、県北を流れる最上小国川で計画されている最上小国川ダムについて、当サイトとしての意見を述べたものです。掲載された提言は、ここにも掲載しますが、なにぶん文字数が限られているため、考えていることの半分も書くことはできませんでした。また機会を見つけて補足いたしますが、まずは山形新聞に掲載されたものをご覧いただければ幸いです。
2002.4/15掲載
「最上小国川ダムを考える懇談会」、県知事への提言書をまとめ閉会
去る3月25日、「最上小国川ダムについて考える懇談会」の第5回会合が開催されました。今回の懇談会では、県知事に提出する提言書をまとめるため、提言書案が示され、主にそれについての質疑が行われ、最終的には若干の手直しを経て提言書がまとめられました。これにより同懇談会の役目は終わり、5回の会合で閉会することになりました。今回の第5回懇談会については、別ページで詳報します。(ここをクリック)
2002.2/21掲載
ヘラブナ生体魚拓展、3/13〜3/18まで東北電力山形営業所グリーンプラザで
ヘラブナ生体魚拓展は、釣りが趣味の柴田宏さんが、生きたヘラブナを魚拓にした作品を展示するもの。東北電力山形営業所グリーンプラザで3月13日(水)〜3月18日(月)まで。問い合わせは023-644-0840
2002.2/4掲載
つり人社社長・鈴木康友氏が、第4回「最上小国川ダムを考える懇談会」で講演予定。
題目は「小国川の鮎」に関すること。
2/15に開催される第4回「最上小国川ダムを考える懇談会」において、つり人社社長の鈴木康友氏が講演に立つことが決まりました。当日は「小国川の鮎」に関することでお話しされる予定です。また、懇談会のメンバーである山形北部希少ワシタカ研究会の今井正会長も講演されます。懇談会は一般の方でも傍聴できますので、ぜひご出席いただきたいと思います。・・・詳細後日掲載します
2002.1/17掲載
「最上小国川ダムを考える懇談会」の第4回目は、2月15日に赤倉温泉で開催予定
県北の最上町、舟形町を流れる小国川の治水対策について話し合う「最上小国川ダムを考える懇談会」の第4回目が、2月15日(金)の13:30から、赤倉温泉の「お湯トピアもがみ」で開かれることが決まった。山形県最上総合支庁建設部河川砂防課によると、第4回懇談会では、これまで3回にわたって話し合われた内容をまとめ、県知事に提出する案のたたき台となるようなものを懇談会で示す予定という。話し合いの内容によっては今回が最後の懇談会になる可能性が大きく、ダム建設の是非についてどのような意見集約がなされるか、大変注目される。傍聴もできるので、関心のある方はぜひ出席していただきたい。
2001.12/17掲載
「最上小国川ダムを考える懇談会」の第4回目は、1月下旬か2月上旬に開催予定
県北の最上町、舟形町を流れる小国川の治水対策として、山形県はダム建設が最も妥当な方法とし、それについて地元住民などからなる「最上小国川ダムを考える懇談会」を開いて議論をしているが、第4回目は1月下旬から2月上旬に予定していることが当サイトの取材で明らかになった。山形県最上総合支庁建設部河川砂防課によると、第4回懇談会では、これまで3回にわたって話し合われた内容をまとめ、県知事に提出する案のたたき台となるようなものを懇談会で示す予定という。同課では「意見は既に出尽くしており、これ以上議論を重ねてもあまり意味はない」という認識だ。最上小国川ダムに関する関連記事はここをクリック
2001.11/20掲載
11/20、第3回「最上小国川ダムを考える懇談会」開催される。
県東北部を流れる小国川に山形県がダム建設を計画していることについて、その是非を話し合う「最上小国川ダムを考える懇談会」の第3回目が、11月20日(火)の午後1時30分から、最上町中央公民館で開催されました。詳細は後日アップします。これまでの経緯、第1回と第2回懇談会の議事は、ここをクリックしてご覧下さい。
2001.7/30掲載
「最上小国川ダムを考える懇談会」第一回懇談会が、7月30日、最上町で開催

本日7月30日、最上町の最上町中央公民館において、「最上小国川ダムを考える懇談会」の第一回懇談会が開かれました。この懇談会は、最上町の赤倉温泉より上流約2kmの小国川においてダム建設を計画・検討している山形県土木部河川課が、「洪水常襲地の赤倉地区をはじめ、最上小国川をどのような手法で洪水から守り、どのように自然と調和した川づくりにするかを、学識経験者および流域で生活している地域住民の意見をお聞きしながら、今後の治水対策・河川整備計画に反映させること」(※配付資料より抜粋)を目的に開催したものです。今回は第一回目ですが、今回の会を主催した河川課によれば、今後2〜3回か、必要があればさらに懇談会を開催し、意見の集約を経てダムについての“提言”をまとめる、とのこと。懇談会には事務局である県河川課が選定した懇談会のメンバー(委員)31名と、事務局の職員のほか、傍聴者約40名が参加し、関心の高さを伺わせました。 詳細は別ページに掲載しております。ここをクリックしてご覧下さい。

2001.4月20日頃掲載
小国川のダム計画について、県議会の建設常任委員会で答弁。
4月18日に開かれた山形県議会の建設常任委員会で、小国川で計画されているダム事業についての質疑があり、それに対する河川課長の答弁がありました。以下、4月19日の山形新聞朝刊(2面)に掲載されたものから関連する部分を抜粋して紹介します。
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『伊藤孜委員(社民)が、最上小国川ダム建設に対する県の整備方針をただした。武田正河川課長は「洪水対策としてダムを建設することが最も望ましいと考えているが、地域の意見、環境への影響もふまえて、ほかの対策も考慮しながら検討を重ねていく」と答えた。』

2001.4月掲載
朝日新聞で小国川で計画中のダム事業について記事掲載!
朝日新聞は、4月1日朝刊・山形版(33面)で、「ダムは必要か 最上小国川を歩いて (上)」と題した短期連載の記事を掲載しています。同日の見出しは「住民の「総意」 議論は尽くされたのか」 「同盟会の設立に疑問の声」というもの。同様に4月2日には29面で「 「最適な治水対策」 堤防強化求める声も」 「源泉への影響調査を」といった見出しで記事を展開しています。記事は朝日新聞山形支局のホームページでご覧いただけます。ぜひご一読ください。URL http://mytown.asahi.com/yamagata/kikaku_itiran.asp
2001年3月頃掲載
3月の県議会で高橋知事が小国川のダム計画について答弁
3月はじめに開かれた山形県議会で、高橋知事は、現在、最上町の小国川で県が計画しているダム建設について質問を受け、答弁した。この答弁は、小屋豊孝議員(社民)の一般質問に対して行ったもの。以下、3月3日付け山形新聞・朝刊(2面)に掲載された記事より引用・抜粋して紹介します。

小屋豊孝議員(社民)
△県の財政状況、自然環境保護など広範な観点から最上小国川ダム事業を見直す考えはないか。
高橋和雄知事
最上町の小国川は、これまでたびたび水害に見舞われるなど洪水が予想される。温泉地域から約1キロ地点にダム建設を望む意見があり、県は調査に入っている。洪水対策として川幅を広げて水量を減らしたり、堤防を築くことも考えられる。堤防を築くと温泉の源泉に対する影響も懸念される。住民が安心して暮らせる方法と環境問題なども考え、研究を重ねており、しばらく時間がかかる。調査結果からダムが必要となれば、その段階ごとに住民と話をする。堤防の場合も同様だ。水害防止に重点を置き治水対策を進めていく。

山形県が赤倉温泉上流の小国川で、ダム建設計画。・・・2000年7月掲載
 山形県は現在、県東北部を流れる小国川上流において、ダムの建設計画を進めている。県の土木部河川課によると、計画地は最上町の赤倉温泉上流約2km付近の小国川本流。計画ではこの地点に高さ56m、長さ530m、貯水量730万トン規模のダムを建設する方向で、現在この計画の可能性についてさまざまな調査を進めているという。この計画で水没する面積は約80haほどになる模様。

 そもそもこのダム計画は、小国川の増水によって赤倉温泉の旅館や一般家屋がたびたび浸水などの水害を受けたことから、最上町を通じて県に対策を講じる要望が出されたことに始まったという。県では平成3年から県単独で調査を開始。平成7年からは正式な公共事業に組み入れて予算を計上し、調査を行ってきた。県ではダム建設の他に川底を深くすることで水害を防ぐ方法や、川を広げることで対処できないかということも考慮したというが、浚渫(川を掘る)した場合は温泉の湯脈に影響を与える可能性があり、また川を広げることについては現在川のすぐそばに旅館が建ち並んでいることから移転が難しいということで、ダム建設の方向で計画進めることになったという。
 現在の計画はあくまで暫定的なもので、本格的な調査もこれからの段階というが、ダム建設が実現した場合、河川環境や生態系に及ぼす影響が非常に懸念される。土木部河川課では、「ダム建設によって河川環境に与える影響は少ない」と語る。しかし、これまで行われてきたダム建設によって河川環境や生態系に影響がなかった(あるいは少なかった)という話はあまり聞かれず、逆に大きな影響を及ぼしてきたという話ばかりが聞かれるだけに、慎重に慎重を重ねた計画の進め方が必要だろう。ダム建設によって小国川の河川環境が悪化し、アユやイワナ、ヤマメ、それにサクラマスに代表される生物に影響を与えた場合、釣り人や観光客の減少ということも十分に考えられる。そうなった場合、観光誘客面で非常に大きな打撃をこうむる可能性もある。一度破壊された自然を元に戻すのは不可能に近いほど難しいだけに、県には慎重な対応が求められる。ちなみにダム建設による治水の直接的な対象となっているのは、赤倉温泉の旅館や一般家屋18戸だという。
 なお参考までに記せば、現在暫定的に計画されているダムの規模は、県内では金山町の神室ダムよりやや小さいものになるという。またダムは基本的に治水目的のものだが、建設が現実のものとなれば県では発電などの利水にも活用していきたい意向だという。 
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 【山形釣り情報】としては、このダム建設について直接意見を述べる立場になく、またそのような影響力もありませんが、基本的に反対の立場をとりたいと思っています。赤倉温泉の旅館や一般家屋18戸が水害の危険が高く、対策が求められるのはわかりますが、ダムではなく他の方策をもっと検討していただきたいと思います。公共事業の見直しや、自然環境に配慮した工事の必要性などが叫ばれる昨今、ダムではなくもっと別の方策はないのか。治水=ダムではなく、もっと広い視野で治水対策を考えていただきたいと思います。【山形釣り情報】 では、この問題について今後も取材を継続しレポートしていくつもりです。皆さんのご意見や関連情報などお寄せ下さい。ご意見、情報はメール総合掲示板