釣り関連ニュース2005


以下の資料は、山形県内水面漁業協同組合連合会が開催した「フレッシュウォーターフィッシングフォーラム」(05年2月6日と2月20日)で、県内水面水産試験場の桂和彦専門員が説明に使用した資料の一部です(許可をいただいて掲載)。桂氏はなぜ山形県が琵琶湖産アユの放流をやめて県産の天然アユを親魚とする人工産アユに切り替えたか、また、なぜ昨年10月にアユの全面禁漁をしたか等について、以下の資料を使って説明されました。
※各図の説明は当方で付けたものです。


かつて県内で放流されていた琵琶湖産アユは、ちゃんと産卵活動を行って、生まれた仔魚は海に下ることが確認されていました。しかしその後の追跡調査で、海には下るものの海産アユ(天然アユ)のように川には遡上しないことがわかったそうです。つまり、琵琶湖産アユは、産卵しても次の年の資源にはならないということ。その点をふまえて上図左下の「海産アユと琵琶湖産アユの産卵期と繁殖行動は?」と書かれた部分を見ると、西南日本では琵琶湖産アユと海産鮎の産卵期ははっきりと分かれるものの、北部日本では琵琶湖産アユと海産アユの産卵期は時期が重なる部分があるのがわかります。“重なる”ということは、琵琶湖産アユと海産アユが一緒に産卵活動を行っているということ。こうしたことから、琵琶湖産アユを放流することにより海産アユの貴重な資源を減らしている可能性があると考えられるということです。

上図は山形県が琵琶湖産アユの放流を中止し、海産の天然親魚を用いた人工産アユに切り替えた経緯を端的に説明したものです

上図は県内におけるアユの禁漁期について、これまでの記録をまとめたものです

アユの耳石を調べることで、アユが孵化した日や産卵日を推定することが可能です。耳石はいわば木の年輪のような物だということです。

上図は最上川流域に遡上した海産アユの産卵時期をグラフにしたものです。10月上旬に集中していることがわかります。